漆黒のヴィランズのアーリーアクセスから1か月。リリース前に有料会員数が過去最大を更新するという期待の高さに対して、リリースされたものは過去最高のストーリー体験だった。

海外でのゲームの評価としてよく参照されるメタスコアでも好評だった紅蓮のリベレーターの評価をさらに上回り、2019年に発売されたゲームの中で最高値(2019年7月29日現在)を記録するなど、MMORPGの評価をは思えない前代未聞の高評価となった。

新種族や新ジョブなど、数々の新要素もリリースされ、それがデータとしてどう表れてくるかきになるところだが、ようやくLodestone国勢調査のワールド統計を更新できたので見てみよう。



画面イメージ


ワールド別統計とは、Lodestoneのキャラクター情報を収集・分析して、ワールド毎のプレイヤー動向をいろんな角度で掘り下げるLodestone国勢調査の集大成。前回、漆黒のヴィランズリリース直前のタイミングでの更新から1か月半ほど経ち、新高難易度レイド「希望の国エデン零式」リリース目前というタイミングで拡張リリース後のプレイヤー動向を見てみた。

今回、アクティブキャラクターの判定に従来用いていたHPの変化(装備の更新)は除外した。装備のステータスがHPの数値に反映する計算式が更新されると、休止中で装備の更新が無いキャラクターのHPも変化してアクティブ判定されてしまうためで、次回以降は復活させる。

また、レベルブーストポーション(通称ジャンピングポーション)も従来のレベル60からレベル70に更新された。前回レベルブーストのサブキャラ判定に最大レベルが60(から61未満)で配布アイテムの武器レベルのままという条件にしたが、それを70までスライドするとレベル71までのストーリーを体験中のプレイヤーのデータがごっそりケズれてしまうので今回は見送りレベル60での判定は残した(調査の時期には漆黒発売直前も入るので)。
これもいずれレベル70で復活させる予定だ。
(ちなみに、これに該当するのは4万キャラクターほどだった)

ワールド統計のサイトも新種族や新ジョブが増えたことで一部グラフのレイアウトが厳しくなり、戦闘ジョブとギャザクラのレベルのグラフを分けたり、Lodestoneの装備武器によるジョブ構成もDPSを近接物理、遠隔物理、遠隔魔法に分ける等の対応を入れている。


拡張でのゲーム側の仕様の変化に対応して細かく処理を入れていて説明文にも反映はしているが、従来と同じだと読み飛ばしがちなところなので上記の通り注意を入れた次第。
※ちなみに前回は拡張リリース後の次の調査でこの拡張前後の特別対応が残ってしまってその後に休止した一部のキャラクターがアクティブ判定され続けたまま半年くらい気が付かなかったという事があったので次回は注意したい。※自戒を込めたメモ。

・アクティブキャラクターは94万、漆黒キャラクターは68万

集計対象のベースとなるアクティブキャラクターの判定基準は以下の通り。
  • Lodestoneキャラクター検索でレベル36以上もしくはジョブがエクストラ・リミテッドジョブのキャラクター
  • 前回(6/13)の調査からレベル、経験値が変動している
  • 前回(6/13)の調査から、ミニオン、マウント所持数が変化している
  • 前回調査では居なかった新規キャラクター
  • マウントの所持が1体以上
  • データ取得時のジョブでジャンピングポーション使用(ジョブクリスタルに銘入りかメイン武器がブースト配給アイテム相当のIL280)かつ戦闘ジョブ最大レベルが60のキャラを除外
  • GC未所属でレベル50以上のキャラクターを除外
リージョン別漆黒キャラクター数動向


アクティブキャラクター数は前回(101万)から7万減少して約94万
新規キャラクター数は前回の23万から7万減っての約16万。
前回非アクティブだったのが今回アクティブになった復帰キャラクター数が28万から1/3の10万。
前回からアクティブで継続しているキャラクター数は49万から19万増加の68万

全体としては前回ミリオン超えから100万を割る94万だが、決して悪い数字ではない。
調査間隔が伸びるに比例して増える新規や復帰は、前回の約4か月から今回1月半になって減るのが当然で、復帰キャラクター数が1/3になったように減るのが普通だが、新規の数は2/3くらいの減少に留まっている。

なにより大きいのが継続キャラクター数が約70万いるということ。前回が100万だったからそれが半分の50万に戻りました、では大コケとなるところが、70万も継続しているということになる。まさに底上げという感じ。
前回の追記で触れたが、6月21日に行われたスクエニの株主総会で、FF14の有料課金会員数が70万を超えたという発表があったが、それに近しい数字が出ている。
漆黒リリースされたばかりでサブキャラ育てる余裕はあまりない状況だと考えると今はイイ感じにキャラクター数とプレイヤー数が≒になっているのではないだろうか。
※今回は弊害の方が大きかったので入れませんでしたが、レベル70のジャンピングポーション判定によるサブキャラフィルタリングは漆黒がもう少し落ち着いたら適用予定。今回対象となったのは4万くらいだが、ジャンポ支給武器と同じILで新式武器のキャラも結構いて、ILで一律は少々乱暴だったので見送った)

漆黒クリアは今回もバトルジョブの最大レベルが80になっているキャラクター数をカウントしている。
漆黒クリア時に貰えるミニオンで判定する手もあったが、若干ネタバレも含むのであえて紅蓮と同じ評価方法にしている。ちなみに、そちらで評価すると5%ほど数字が下がる。

また、予約特典とCE版でもミニオンが貰えるのでその数字も集計してみた。
アーリーアクセス権が付いた予約特典の所持キャラクター数は継続キャラクター数を上回り、やはりみんな予約してアーリーアクセスから頑張っていたのだろう。

CE版は特にゲーム上のアドバンテージはないが、30万キャラクターほどが特典アイテムを所持している。ただし暗黒騎士のフィギュア付きの物理版とないデジタル版の区別はこのデータからは出来ない。

リリース後の評判が良かった紅蓮の時はこの次の調査でキャラクター数がぐっと伸びたので、漆黒の高評価の状況を考えるとまだまだ期待できるので、ベースの継続キャラクター数の規模がどこまで伸びるか楽しみである。


・ワールド別の人口動態と新規ワールド追加

前回はワールド間テレポの実装に合わせて北米、欧州データセンターでワールドのリグループが行われ、欧州の2つのデータセンターには漆黒のリリースに合わせてSprigganワールドとTwintaniaワールドがそれぞれ追加された。その新規ワールドの状況含めて各ワールドの人口動態を見てみよう。
ワールド人口動態

表は増減の大きい順にソートしている。今回もGoogleのスプレッドシート版にシートを追加する形で公開しているので、気になる人はいろんな切り口で見て欲しい。

JPリージョンを見てみよう。漆黒リリース直前の6月27日にManaの全ワールドが混雑指定されるという状況になった。7月16日には一部のManaデータセンターのワールドが通常指定になったので、リリース直後の新規が増える時期になんとかElementalやGaiaに誘導したかったものと思われる。

前回増えた分の新規や復帰勢の内、一定割合はゲームが肌に合わずに休止してしまう関係上、前回一気に増えた代償として翌回の調査では休止が多くなる運命にある。今回も全体としてはアクティブキャラクターは減っているので増減的にはマイナスになっているところが多い。
リリース前から継続して優遇になっているワールドはその中でも増減プラスになっている。

レベル80の人口を見てみると、8400のTonberryを除けばChocoboが6,800で頭一つ多く、次いで6000のShinryuと続いて、あとは4000~5000台になっていて、高レベル帯をみても平準化はうまく進んでいると評価できる。


NAリージョンを見てみよう。Goblinが増減数で4000アップと2位の1200をぶっちぎってものすごい勢いで増えている。アクティブ2万の内、6000が新規という新設ワールドかと思わんばかりの増化っぷりだ。NA事情に詳しい人に聞けば何かわかるのだろうが、数字で見て何かがあったのだと考えずにはいられない。
増え方で言えば、同じCrystalワールドのBrynhldrとZaleraも転入数が多い。Goblinが元々のアクティブキャラクター数が少ないので休止が少なかった分増減でプラスが勝った状況だ。

NAでも漆黒リリース時にAetherがデータセンターごと閉鎖状態になり、Crystalデータセンターへの誘導する流れ場が見えたが、友人を誘うのに混雑中のワールドでは一緒に冒険できないから一緒にあそぶためにCystalデータセンターの優遇ワールドに・・・とかそういう流れなのだろうか。

長年、NAの一番人口が多いワールドでPRプレイヤーが集まるワールドとして有名だったBalmungワールドが、アクティブ数で多くのワールドに肩を並べられ、レベル80人口でGilgamesh,Leviathan,Cactuarワールドの後ろになっている。ちなみに現在、Balmungは通常ワールド指定である。

ワールドのリグループによって各ワールドの勢力状況は確実に変化しているように見える。


EUを見てみよう。当然ながら新設のSpriggan,Twintaniaワールドの増減数がトップ。新設ワールドへの誘導するように既存のワールドの半数が混雑指定され、増減では他は軒並みマイナス。
でも、平準化としては上手くいっていると感じる。新設ワールドのレベル80人口は当たり前だがダントツに少ない。
新設ワールドはだいたい1/3が他ワールドからの移籍組、2/3は新規となっている。


・新種族ロスガル、ヴィエラの追加
漆黒のヴィランズで追加された新種族ロスガルとヴィエラ。
それぞれ男性専用、女性専用の種族でリソース的に新種族の追加はこれで最後だろうとのこと。

最初フランスのファンフェスでヴィエラ♀の紹介があって、続く東京ファンフェスでお披露目されたのがFF14初のプレイアブル種族としての獣人。ヴィエラ♂がどんな感じになるだろうか・・・と期待する声も多かっただけに全く毛色の違うロスガルにがっかりする声もあったが、キャラメイクの幅は確実に広がった。その後フォーラムで吉田Pによる眼鏡紳士ロスガルのSSを見て「ロスガルいいじゃん」って流れが出てきたかな、と思う。

ということで、新種族のロスガルやヴィエラがどの程度受け入れ垂れたのか気になる人も多いと思うので、幻想薬の種族変更に焦点をあてて、漆黒リリース前後の種族構成比を調べてみた。

種族JP


漆黒直前の前回調査(6月13日)と今回の各種族のキャラクター数をまとめ、その増減をみてみた。
これはJPリージョンの合計である。
基本的に種族でまとめているが、ヒューランはミッドランダーとハイランダーでモデルが違うので別にしている。
Before,Afterは今回の新規や休止キャラクターは除いていて、継続キャラクターの中での変化を見ているので、ここでのロスガルとヴィエラの増化は既存キャラクターが幻想したキャラクター数である。

増減率はBeforeに対してどれだけ変化したかで、シンプルに言えばどれだけロスガル、ヴィエラに吸われたかと見ることができる(ロスガル、ヴィエラへの変更に限った数字ではないが)。

割合としてもっとも減ってしまったのがルガディン♂。まぁ変更先は予想できるだろう。
次いでハイランダー♀、エレゼン♀、ルガディン♀が20%以上減っている。まぁ、お姉様系が一定数ヴィエラに流れるのは予想できたものだが、ただでさえ少ない種族の人数が減るのは寂しい限り。

キャラクター数で言えば、アウラ♀、ミコッテ♀からの転生も多い。逆にほぼ変化しなかったのがミッドランダー♂。

新規構成比は、漆黒新規のキャラクターがどの種族を選んだかという数字で、これまでのしがらみがなければ何が選ばれるだろうかと気になって数字を出してみた。

ロスガル♂の人気で言えば、ルガディン♂を上回りエレゼン♂と同程度。ヴィエラ♀はミコッテ♀、アウラ♀、ララフェル♀には及ばないが、ミッドランダー♀より多い感じ。

今回の調査全体での構成比も出してみたが、新規構成比とそこまでは変わらなかった。ご新規さんは新種族のヴィエラを選ぶのかと思ったが、全体での構成比の方が高かったので、ご新規さんはわりとフラットに選んで、ヴィエラに幻想してみようというのは既存プレイヤーに多かったと言えるだろう。

この表ではどの種族からヴィエラへの幻想が多いのかは正確には分からいので、それがわかるようなグラフを作成した(クリックで遷移)。
ダイヤグラム


NAとEUのデータもまとめたので見てみよう。
種族NA

NAではヴィエラ♀がミコッテ♀に次ぐ人気種族になっている。男性種族で言えばロスガル♂は多い方ではないにしろ、ララフェル♂よりちょい少なくハイランダー♂と同程度くらい。
でもJPよりロスガルは歓迎されているようだ。

種族EU

EUはJPとNAの中間くらいの感じで、ヴィエラ♀の人気は高いが一番人気のミコッテ♀は不動。ただアウラ♀よりヴィエラ♀の方が人気が高いようだ。EUではルガディンはJPより希少なようで・・・

種族変更ダイヤグラムはJP版から遷移できるが、リンクは以下の通り。
FF14 trans race diagram (NA)
FF14 trans race diagram (EU)


ということで、漆黒最初のLodestone国勢調査でした。
次の調査は5.1リリース前あたりにやる予定で、エデン零式4層のクリア報酬でミニオンかマウントが貰えるようならクリア数の推計をしてみようと思う。
※計測できるか否かはコンテンツ報酬の仕様によるので

ということで、明日のアップデートで戦士や占星術師の強化がくるかドキドキしながら新式商戦への準備に戻ろう。