新生エオルゼアの冒険者のみなさま、幸運番長ですこんばんちょ。
と、なつかしの冒頭句で始めてみた。
パッチ5.3でフリートライアルが大幅に拡大され、それに伴いLodestone国勢調査でのアクティブキャラクターの集計方法も見直した。
過去何度もFF14の仕様に合わせて細かく調整していたけど、そもそもアクティブキャラクターで何を知りたいのかというベースの部分のコンセンサスがない状態で取得方法の変更という差分の話をしてもその妥当性を判断しにくいだろう。
毎回Lodestone国勢調査を見てくれているような方には改めて説明する必要はない事でも、初めて見る人にとってはそうでもないし、目に見えないものを測る統計値というものは前提条件を抜きに独り歩きし易いものだ。
そこでLodestone国勢調査に関してよく聞かれる質問や誤解されがちな部分などを合わせて「Lodestone国勢調査のよくある疑問」と題してまとめ、毎回の調査にリンクを張っておこうと考えた。
■Lodestone国勢調査って何?
FF14をプレイしていて「自分のワールドってどのくらいプレイヤーが居るの?」「自分の周りにはミコッテが多いけど実際多いの?」というような疑問を持ったことはないだろうか。
Lodestone国勢調査はそういう「知りたい」という好奇心が公式プレイヤーサイトのLodestoneのデータ収集で実現できそうだ・・・ということで始めたのが第一回the Lodestone国勢調査。旧FF14正式リリースから4日目くらい。最初は英語でコメントもらったくらいの反応だった。
※theは入れる方が英語的には正しいはずだけどどこかのタイミングから省略してしまった。英語版はなるべく入れるようにしている。
ということで、Lodestone国勢調査はFF14公式プレイヤーサイト「The Lodestone」からキャラクター情報を収集して、そこから分かるプレイヤー動向を発表する非公式な調査である。
非公式というのは1プレイヤーが勝手にやっているということ。公式がやっているものではないので同時接続数など、プレイヤーが知りたいと思っても表に出てこない情報は調べられない。あくまでThe Lodestoneの定期的な情報収集により分かる範囲で調べたものである。
プレイヤーが公式サイトからデータ収集して外部のサイトで情報を公開することについては、以前フォーラムでアクセス負荷が過大でさえなければそうした形での利用は問題ない旨の発言があった。
なのでLodestoneの情報を収集して外部のサイトで公開すること自体はFF14の利用規約に抵触するものではない。
一方、Lodestone国勢調査の内容を使うのに番長の許可が必要かについては、リンクや引用など本来自由であるものは当然OKで一言入れる必要もない。
データ自体には著作権はないので必要な情報を抜き出して英訳した表にすることも問題ない。
番長が著作権を持っているのはグラフなどの画像だが、これについても転載OKにしている。
つまり、基本自由に使ってもらって構わない。
データ収集はThe Lodestoneのサーバーに負荷がかかる作業なので、他の人がわざわざデータを収集しないでも済むように取得したデータはプレイヤーコミュニティ全体に還元していきたいと考えている。
ちなみに、公式で時折発表している「エオルゼア領勢調査」というものがある。
2013年、2014年、2015年、2016年、2018年(5周年記念インフォグラフィックス)
2013年版が発表された当時は、公式が出しているのだから旧から続けていたLodestone国勢調査も潮時かな・・・とも考えたけど公式発表が全体しか語れないならこっちはワールドローカルを攻めようってワールド別統計を作るきっかけになった。
同時接続数まで踏み込んだ2013年と比べてそれ以降はなかなかプレイヤー規模が分かるような数字は出なくなったりしてた。The Lodestoneのデータでは分からないものがエオルゼア領勢調査で見える面白さはあるが、忖度なく突っ走れる非公式調査であるLodestone国勢調査の価値も再認識できた。
と、なつかしの冒頭句で始めてみた。
パッチ5.3でフリートライアルが大幅に拡大され、それに伴いLodestone国勢調査でのアクティブキャラクターの集計方法も見直した。
過去何度もFF14の仕様に合わせて細かく調整していたけど、そもそもアクティブキャラクターで何を知りたいのかというベースの部分のコンセンサスがない状態で取得方法の変更という差分の話をしてもその妥当性を判断しにくいだろう。
毎回Lodestone国勢調査を見てくれているような方には改めて説明する必要はない事でも、初めて見る人にとってはそうでもないし、目に見えないものを測る統計値というものは前提条件を抜きに独り歩きし易いものだ。
そこでLodestone国勢調査に関してよく聞かれる質問や誤解されがちな部分などを合わせて「Lodestone国勢調査のよくある疑問」と題してまとめ、毎回の調査にリンクを張っておこうと考えた。
- Lodestone国勢調査って何?
- 毎回「ワールド別統計更新」ってあるけどLodestone国勢調査と何が違うの?
- スクエニ公式の冒険者数とアクティブキャラクター数ってかなり違うけどなんで?
- 同時接続数は出せないの?
- なんでアクティブなプレイヤー数でなくキャラクター数なの?
- アクティブキャラクターの判定ってどうやっているの?
- どうやってデータを収集しているの?
- 集計間隔は毎月とか固定しないの?
- ジョナサスレポートで最新のアチーブメント情報が反映されないのだけど
■Lodestone国勢調査って何?
FF14をプレイしていて「自分のワールドってどのくらいプレイヤーが居るの?」「自分の周りにはミコッテが多いけど実際多いの?」というような疑問を持ったことはないだろうか。
Lodestone国勢調査はそういう「知りたい」という好奇心が公式プレイヤーサイトのLodestoneのデータ収集で実現できそうだ・・・ということで始めたのが第一回the Lodestone国勢調査。旧FF14正式リリースから4日目くらい。最初は英語でコメントもらったくらいの反応だった。
※theは入れる方が英語的には正しいはずだけどどこかのタイミングから省略してしまった。英語版はなるべく入れるようにしている。
ということで、Lodestone国勢調査はFF14公式プレイヤーサイト「The Lodestone」からキャラクター情報を収集して、そこから分かるプレイヤー動向を発表する非公式な調査である。
非公式というのは1プレイヤーが勝手にやっているということ。公式がやっているものではないので同時接続数など、プレイヤーが知りたいと思っても表に出てこない情報は調べられない。あくまでThe Lodestoneの定期的な情報収集により分かる範囲で調べたものである。
プレイヤーが公式サイトからデータ収集して外部のサイトで情報を公開することについては、以前フォーラムでアクセス負荷が過大でさえなければそうした形での利用は問題ない旨の発言があった。
なのでLodestoneの情報を収集して外部のサイトで公開すること自体はFF14の利用規約に抵触するものではない。
一方、Lodestone国勢調査の内容を使うのに番長の許可が必要かについては、リンクや引用など本来自由であるものは当然OKで一言入れる必要もない。
データ自体には著作権はないので必要な情報を抜き出して英訳した表にすることも問題ない。
番長が著作権を持っているのはグラフなどの画像だが、これについても転載OKにしている。
つまり、基本自由に使ってもらって構わない。
データ収集はThe Lodestoneのサーバーに負荷がかかる作業なので、他の人がわざわざデータを収集しないでも済むように取得したデータはプレイヤーコミュニティ全体に還元していきたいと考えている。
ちなみに、公式で時折発表している「エオルゼア領勢調査」というものがある。
2013年、2014年、2015年、2016年、2018年(5周年記念インフォグラフィックス)
2013年版が発表された当時は、公式が出しているのだから旧から続けていたLodestone国勢調査も潮時かな・・・とも考えたけど公式発表が全体しか語れないならこっちはワールドローカルを攻めようってワールド別統計を作るきっかけになった。
同時接続数まで踏み込んだ2013年と比べてそれ以降はなかなかプレイヤー規模が分かるような数字は出なくなったりしてた。The Lodestoneのデータでは分からないものがエオルゼア領勢調査で見える面白さはあるが、忖度なく突っ走れる非公式調査であるLodestone国勢調査の価値も再認識できた。
■毎回「ワールド別統計更新」ってあるけどLodestone国勢調査と何が違うの?
「The Lodestone国勢調査 ワールド別統計」は2013年12月にリリースした本ブログの特集ページである。Lodestone国勢調査の動機でもあった「自分の周りにはミコッテが多いけど実際多いの?」みたいな疑問は毎回記事にして発表してもあまり変わらない。今だとワールド人口平準化施策の効果で同じ地域内のワールドにそれほど差はないけど、かつてはワールド毎に人口差もあり「自分ワールドはどうだなのだろう」という疑問は当然出てくるが、JPだけで30個とかあるワールドの情報をそれぞれを記事にしていくわけにもいかないので「ココを見れば各ワールドの最新の状況が分かる」というものが欲しかったので作ったのが「ワールド別統計」だ。
毎回記事にしているキャラクター数動向やレイド踏破者数の統計はあくまでワールド別統計のサマリーという扱いで、本来のLodestone国勢調査が収集している「the Lodestoneのキャラクターデータから分かる事」を体現しているのはワールド別統計の方だ。
ただ、データが持つ価値と面白いか面白くないかは別なのでキャッチーな部分、ワールドを横断した内容、その時期だけ注目があつまる動向などをブログ記事にしている。
■スクエニ公式の冒険者数とアクティブキャラクター数ってかなり違うけどなんで?
2020年9月22日時点でプレイヤー数2000万人(冒険者2000万人と表現することもある)がフリートライアルのページにあるスクエニの公式発表だ。
それに対しLodestone国勢調査での数字は100万を超えたか超えないかなどと一桁違う数字を話題にしている。こう聞くと「どちらかが嘘をついているんじゃないか」と思ってしまう人も出てくると思う。
こういう数字を見る時にはまず「公式が嘘を言っている」と考えない方がいい。第3者が知り得ない数字が嘘である証明を外部でするのは難しい分、公式発表は信用するというのが市場のルールでありそれを裏切ることへのペナルティは非常に重い。
ではLodestone国勢調査の数字の方が嘘かという話になる。自分としては嘘は言ってないとしか言えないが、他にも同じようなデータ収集をしている人がいて、そことの数字に矛盾がないことも一応の証明にはなる。
どちらも嘘を言ってないとしたらなぜ違いが出てくるのか。それは数えているものが違うからだ。
公式発表のプレイヤー数2000万人という数字の注釈にはこうある
Lodestone国勢調査の方は現在活動しているプレイヤー数を知ることを目的にしてアクティブキャラクター数を算出している。
この手のプレイヤー数を示す数字に累計アカウント数を使うことが正しいのかと言えば、他の種類のゲームの販売数との比較で言えば累計値の方が主流だ。
FF15の出荷本数は2019年10月の発表ではパッケージ版、ダウンロード版合わせて890万本らしいし、スマホのオンラインゲームも「ダウンロード数〇〇本突破」という表現を使っている。これはどちらも累計値だ。
FF15をプレイしていた自分は今はプレイしていないとしてもFF15プレイヤーとカウントされることに違和感はない。
買い切りのFF15と月額課金制のFF14では条件が違う?
まさにそれが「数えているものが違う」ということの意味だ。
「条件が違う」と思うのはなぜか。それは「知りたいことが違う」からだ。
そして「何を知りたいか」は人によって違うのでそこに正解はない。
FF15は販売本数に興味があるけどFF14は今プレイしている人数を知りたいというは自然なことだけど、世の中では数字は他と比較されるものだ。一人だけ条件の違う数字を出しても少なめの数字になる条件では不利になるし、大きく出る数字になっても条件によっては「実態より良さそうに見せている」と批判の対象になる。なので企業の立場で言えば出来るだけ揃えるという考えになるのもやむを得ない。
公式発表の冒険者数も最初はフリートライアル版は除外されていた。
それがフリートライアル版を含むようになったのは、フリートライアルの期間が14日間から無期限になった時からだと記憶している。
理屈としては、フリートライアル期間の14日を過ぎた人はもう遊べない(プレイヤーではない)が、無期限になれば遊べる(プレイヤーである)という理屈なのだろう。いわゆるソーシャルゲームの無課金プレイヤーと同じ扱いになる。
フリートライアルを無期限にすることが総合的にFF14の発展にとって良い決断だと判断したということで、プレスリリースの数字を盛りたいからというのは邪推というものだろう。そんなところで運営コストが嵩む判断はしない。
理由はどうあれ企業が出す数字とはこういうもので、嘘はないが必ず「これはこういう数字です」という注釈があるのでそれを読み取るのは読み手側のリテラシーの問題になる。
公式は累計プレイヤー数以外の数字を出していないわけではなく、決算発表会などの場で課金会員数の話が出たこともあったし、2019年9月のインタビューでは吉田Pが「アクティブプレイヤー数は100万を超えた」と回答し、それは当時のLodestone国勢調査の数字と大きく違わない数であった。
※この手の公式発表があった際にはLodestone国勢調査の記事内で言及して裏付け考察をしています。
ただ、スクエニ側がどんな数字をいつ発表するかはスクエニ側の都合なので、プレイヤーとしての自分が知りたい時に取り得る手段でデータを収集して集計しているのが非公式調査であるLodestone国勢調査なのである。
■同時接続数は出せないの?
何人のプレイヤーがその時点でゲームに繋いでいるかを示すのが「同時接続数」いわゆる「同接」ってやつだ。
昔からプレイヤー間ではオンラインゲームの流行度合いをこの「同接」で測る風潮がある。
なぜ同接が重要かというと、対戦プレイであろうが協力プレイであろうが、同続の数がマッチングできるプレイヤーの総量だからだ。
パーティ募集でも、同時に接続しているプレイヤーが多ければ多いほどお目当ての募集や立てた募集に参加してくれるプレイヤーが増える。
WebサイトであるThe Lodestoneにはそのキャラクターが今ログインしているか分かる機能はない(知り合いのウォールに「ログインした」と通知はできるがログアウトはわからない)のでLodestone国勢調査の調査方法では分からない。
完全ではないが推測できる方法が2つある。
ゲーム内でワールド内のプレイヤー検索を使って調べる方法と、Steamの同時接続数を見る方法だ。
ゲーム内のプレイヤー検索を使った方法で調べているのが「FF14 サーバー人数報告スレ」の人達だ。
プレイヤー検索のHit上限は200件までだが、エリア、所属GC、レベル帯など細かく分けて合算して全体の数を出す方法だ。ただしコンテンツ中(コンテンツ用サーバーにいる)のプレイヤーはHitしないので、ビギナーチャットの参加者リストでメンターやビギナーのID率から補完して全体を推測していたりする。
リンク張っても流れてしまうので「FF14 サーバー人数報告スレ」で検索すれば出てくる。
1ワールド毎に調べる必要があるが調査する時間帯が人の少ない時間帯にズレると結果に影響するなど制約が大きい。加えて条件を変えてサーチして合算するなど手間もかかるので有志が調査できるワールドも限られており、割合からの推定値で補っている部分が多い
Steamの同時接続数は以下から見える
https://steamcharts.com/app/39210
同時接続数の調査としては一番信頼できる方法だが、対象がSteam版のFF14プレイヤーに限られる。
Steam版はゲーム内容こそWindows版と同じだけど決済関連や拡張版購入時の制限などの問題で敬遠されがちなのでカバー率は高くないと思われる。
ただ、グラフの増減から全体が増えているのか減っているのか推測はできるし、1時間単位から推移を見れる解像度は凄い。
以上のように、同時接続数についてはその全容を知ることは難しい。
吉田Pが同時接続数を発表したのは新生直後のサーバー容量問題でログイン制限していた時の状況説明や新生直後のエオルゼア領勢調査の時くらい。
同時接続数はサーバーのキャパシティ設計においては重要だけどプレイヤーのプレイ体験的には必ずしも正義というわけではない。
FF14では1ワールドの同時接続数などは、ワールドを超えてマッチングするコンテンツファインダーやワールド間パーティ募集、ワールド間テレポがあるので数字そのものそのまま参考にはならない。
パーティを組まないと何もできなかった故に同接の数字を気にしていたかつてのオンラインゲームと違い、ソロでも楽しめる部分が多くなった。
むしろそうしたプレイ環境の快適性という実質的な関心を超えてゲームの流行り廃りや他のゲームとの人気の比較のような話題に消費されがちになっている。
「同時接続数の数値を下げたくない」と考えると自動狩りなどゲーム内で放置することにインセンティブがある設計になりがちになるが、それがプレイ体験の向上に繋がらなずにサーバーのコストだけ嵩むことなれば本末転倒だ。
そういった時代の流れを2017年のMMORPGプロデューサー・ディレクター座談会で語っていた。
■なんでアクティブなプレイヤー数でなくキャラクター数なの?
自分もアクティブなプレイヤー数が知りたい。
でも、The Lodestoneにあるのはキャラクターのデータだけでそこに紐づいているアカウントの情報が追えないので仕方なくキャラクター数で見ている。というのが回答だ。
なので原理的にサブキャラの判定もできない。
「どのキャラとどのキャラが同じアカウントか」なんて分からないしデータ上「このキャラをメインにします」なんていうフラグも無い。ただキャラクターデータの差から活動していそうなキャラクターかそうでないかを判断することしかできない。
ただ、過去に別ソースを用いてアクティブキャラクター数とアクティブプレイヤー数(アカウント数)の差を調べたことがある。
一つは2017年6月6日の記事で2016年に行われたセブンイレブンコラボキャンペーンの特典マウントの取得者数(営業資料のリーク)と当時の同マウントを所持していたアクティブキャラクター数の比較。
もう一つは2019年6月13日の記事で同じ時期の株主総会での松田社長の有料会員数の言及と当時のアクティブキャラクター数との比較だ。
2017年の調査ではサブキャラ率14%。2019年の調査では20%と推測した。
後者が増えているのは、拡張前でアップデートが少ないいわゆるナギ節の時期で、かつ前者の時になかった課金でのレベルブーストによってアクティブの足切り基準を超えることが可能になった点が大きいだろう。
それでも20%。5キャラクターいればその内1キャラクターは残り4人の中のだれかのサブキャラという割合だ。
2017年の記事でも言及しているが、当時別の調査でコラボキャンペーン特典のマウント取得者数と全キャラクターの所持マウント調査で、所持キャラクター数がマウント取得者(アカウント)の2倍いたことからLodestone国勢調査でのアクティブキャラクターの半分はサブキャラだという人が今もいる。
アカウント単位での特典では作成したてのサブキャラでもマウントは取得可能だ。
アクティブ判定で足切りをしていないケースではマウント取得者の2倍所持キャラクター数がいたという調査結果それ自体は問題ないのだが、前提条件を抜かして「半分はサブキャラ」という部分だけ引用している部分で誤っている。
それでも根拠となる調査の出典を提示しているならばまだ誤解の範疇だが、出典も前提条件も示さず都合の良い部分だけ引用してさも根拠があるように言うのはフェイクニュースのやり口と同じだ。
当時も指摘したことだが、未だにLodestone国勢調査の引用記事のコメント欄に「半分はサブキャラ」と引用もなく書き込む人がいるので改めて注意喚起しておく。
■アクティブキャラクターの判定ってどうやっているの?
判定方法を説明する前に、自分がどういうキャラクターを除外したいと考えているかをまとめよう。
除外したいキャラクターは本当に知りたいキャラクター数に対するノイズである。
これらの特徴を元に判別する。こうしたデータの中からノイズを除去する作業をデータクレンジングという。
データクレンジングで注意しないといけないのは本来カウントすべき有効なキャラクターが巻き込まれて除外されてしまうケースがあるということだ。
具体的に言えば、FF14を始めたばかりでまだフリートライアルのレベル上限以下のキャラクターだ。
それでもフリートライアルのレベル上限がレベル35だった頃は初めて1週間もすれば到達できるレベルだったので許容できる範囲だったが、今回のフリートライアル拡張でレベル上限が60まで広がった。スターターパックのレベル上限と同じである。進めるのが早い人なら1,2週間で行けるが、自分のペースで楽しむ人(とても良いプレイスタイル)だと1,2か月はかかるかもしれない。そういうユーザーを除外しても良いのか。
そこで考えたのがフリートライアル中のキャラクターはFCに所属できないという制限を利用すること。逆にいえばFCに所属をしていれば少なくともフリートライアルではないということになるからだ。
ただ、単純にFC所属していればOKとしてしまうとFCに入れているサブキャラクターも入ってしまう。
FCチェストやハウジング倉庫つかってインベントリ枠を節約するのは自分でもやっている。結局レベル制限も入れるしかない。
ではどこにラインを引くのか。35か50か・・・・
FCに入っているプレイヤーはカウントするがFCに入ってないプレイヤーは除外します。という説明に納得感があるのか。
システム上の制限がない中で何を入れて何を除外するのか自分でラインを引くのは難しい。
こういう時は保守的にラインを引かないと調査を踏まえての議論の前に調査そのものにケチがつく。
結局いろいろ考えて、フリートライアルのレベル上限の60を足切り基準にすることにした。
スターターパックのプレイヤーも除外してしまうことになる。
ただ、データクレンジングではノイズ除去の精度も大事だが、統計データの結果を説明する時のシンプルさも大事である。
「フリートライアルとスターターパックのレベル上限以下のキャラクターは除外しました。数えているのは少なくとも拡張パック購入した中でアクティブなキャラクター数です」
と言った方が分かり易い。
除外されるプレイヤーも当然出てくるが、エンドで活躍できるほど育成されたサブキャラもいるのでその分相殺されていると考えることもできるだろう。もちろん、カンストしたキャラクターがサブかどうかを判定する方法はないので推測になるが、こういう疑義の入りやすい数字は保守的に出した方がいい。
最終的に、2020年9月22日のLodestone国勢調査でのアクティブ判定は以下の通りとなった
最後のは分かりにくいけど、他DCの友達と遊ぶ用にシナリオスキップとジョブレベルブーストを入れてミラプリを整えただけってキャラクターを自分も持っているので、そこはワールド間テレポ実装後のサブキャラの典型として判別可能な範囲で可能な限り除外しようと考えた次第。
今回フリートライアル版のアカウントはスターターパックごと除外したが、フリートライアルの拡張施策に効果があれば最終的には拡張パック後のキャラクター数も増えていくことだろう。アクティブキャラクター基準の変更で減った分以上にFF14が成長し、前回のアクティブキャラクター数を遠くない未来に更新してくれることを期待したい。
【追記】2023年10月3日のパッチ6.5でフリートライアルのレベル上限が70に引き上げられた。足切り基準もそれに従い引き上げた。
■どうやってデータを収集しているの?
公式プレイヤーサイトのThe Lodestoneからデータを収集しているとは言っても細かくはどうやっているかを説明しよう。
技術的な用語で言えば、WebサイトのHTMLページを取得するクローリングという技術と、HTMLページから必要な情報を抽出するスクレイピングという技術を使っている。それぞれの技術の説明は特にしないので以下はそれらがある程度分かっていることを前提に説明する
下記はThe Lodestoneの番長のキャラクターページのURL。数字になっているのがキャラクターのIDになる。
公式では累計2000万冒険者だからね。
このIDを1から3000万超えてキャラクターデータがなくなるまで総当たりでやるとおそらく全キャラクターのデータが取得できるだろう。
ただ、ちょっとキャラクリして動かしみてそれっきりだったり休止して動かないキャラクターが大半であり、物理的にこの量を取得するにはかなりの日数が必要だ。
もっと賢いやり方はないか・・・
と考えて目をつけたのがキャラクター検索のページ
キャラクター検索のページは以下の抽出条件を設定することができる
実際は全条件を指定しないでも2000件上限の範囲内で取れるものもあるので、その場合は条件指定を省略して検索回数を減らしていく。
前回まではレベルの高い順に2000件、低い順から2000件の最大4000件取得していたが、今回足切り基準をパッチ5.3からのスターターパックとフリートライアルのレベル上限の60にしたので、レベルの低い順のデータはほぼ不要と割り切って検索結果のレベルが高い順最大2000件づつ取得している。
また、抽出条件をレベル60にしたのでグランドカンパニー未所属やバトルクラス(ジョブになる前)のデータも不要と判断して抽出条件から除外した。
グランドカンパニー未所属やバトルクラスのレベル上位キャラクターはほとんどストーリーを進めてない業者Botだったので今回の条件見直しでかなり抽出数を削減できた。
キャラクター検索で抽出したデータからレベル60以上もしくはFC所属のキャラクターのキャラクターページを一つづつ取得していく。
ここでFC所属を入れたのは最大レベル60以上でもたまたまそれ未満のジョブやクラスになっていた正式版のキャラクターデータを少しでも拾うためで、集計時のアクティブキャラクター判定では最大レベル60以下は除外している。
こうして絞り込むことで対象キャラクターは3000万超から1/10以下になる。
1キャラクターのページは、ステータスや装備、クラスジョブのレベル、ミニオン、マウントのページに分割されているのでこれをそれぞれ取得して1キャラクターのデータになる。
通常ブラウザでキャラクターページを見ると、HTMLデータの他にアイコンやキャラ画像などの大量の画像データや色々な処理のためのスクリプトファイルがダウンロードされるが、ここではHTMLデータしか取得しないのでページの取得はブラウザで見るのに比べて軽い。
これらの工程を数日かけてデータを取得していく。
取得元をいろいろなサーバーで分散して取得すれば収集スピードは上がるが、今はThe Lodestoneのサーバーに負荷がかかりすぎないようにPC一台でデータ取得のレスポンスを見ながらアクセス制限にかからない範囲で調整してデータ取得している。
こうして収集データと、前回調査で収集したデータのキャラクター情報を比較してステータスの変化などからアクティブキャラクターの判定を行う。
つまり、今からLodestone国勢調査と同じことをやろうとすると最低2回期間を空けてデータ取得しないとアクティブなキャラクターか休止中のキャラクターか判断つかない、ということだ。
The Lodestoneのサイトは数十万ユーザーやGoogleなどの検索サービスのクローラーなどのアクセスも日々処理しているので、PC1台分のアクセス制限の範囲内であれば負荷的には問題ないと考えているが、それでもいろんな人がLodestoneのデータを取得したいと思うとサイト側も今以上にアクセス制限を掛ける必要が出てくるので、わざわざ皆さんがデータ収集しないでも済むようにThe Lodestoneのキャラクターデータから知り得た情報は公開していくポリシーを取っている。
■集計間隔は毎月とか固定しないの?
現在のLodestone国勢調査は、メジャーパッチのリリース前とリリース後〇.〇5リリースの前あたりのタイミングで行っている。
キャラクターがアクティブかどうかの判断にログイン情報は使えず、キャラクターデータの変化しか手掛かりがないので、キャラクターデータに変化が起こりやすい前後でデータ収集している。
拡張リリース前や、今回のコロナ過の影響によるパッチリリースの延期などがあるとその分期間が空いてしまうことになる。
前回の5.3直前の調査では4か月ほど空いたが5.3リリース後の調査では1か月半ほどしか空いて無い。
週に何日か定期的にログインするようなユーザーは集計間隔が1月半だろうが4か月だろうがあまり変わらないが、定期的にキャンペーンなどでプレイを始める新規ユーザーは調査期間の影響を受けやすい。
なので新規ユーザー数の比較をしたいなら集計タイミングを毎月や隔月に固定してデータ収集した方がより正確な動向が出せるだろう。
ただ、データ収集には十数日かかるのでコンテンツの攻略進捗などを見たい時はパッチリリースのタイミングに合わせて前後のデータを取らないと中途半端なデータになる。
また、拡張パックリリース前などの装備更新がない時期はログインして遊んでいてもThe Lodestoneのキャラクターデータ上変化が見られないことも珍しくない。
FF14にはパッチリリース毎に波があるのでその波に合わせて調査した方が変化を捕らえやすい。
結局自分が何かを知りたいと思う部分が毎月の変化ではなく、パッチリリース前後でのプレイヤー動向の変化なのでLodestone国勢調査は現在のパッチリリース前後に期間を空けて調査する形を取っている。
■ジョナサスレポートで最新のアチーブメント情報が反映されないのだけど
2020年4月に公開したアチーブメント情報可視化ツール「ジョナサスレポート」。おかげ様でいろんな人に使ってもらっている。
ジョナサスレポートで見れるアチーブメント情報は、単にそのキャラクターがアチーブメントを取得しただけでなく、データセンターや地域内での取得率や、その中でどのくらい早期に取得したかなどの指標も出している。
対象キャラクターのアチーブメントデータはツール上でデータ取得したタイミングのものが反映されるが、全体の統計情報は毎回Lodestone国勢調査のデータ収集後にそこで取得したアチーブメント公開状況を見てキャラクターのアチーブメント情報を追加収集して集計している。
なので最新のアチーブメント情報が反映されるまでしばらく時間がかかる。
ジョナサスレポートは冒険の思い出を振り返るツールなので昨日クリアしたアチーブメント情報を反映されなくても気長にお待ちいただきたい。
「The Lodestone国勢調査 ワールド別統計」は2013年12月にリリースした本ブログの特集ページである。Lodestone国勢調査の動機でもあった「自分の周りにはミコッテが多いけど実際多いの?」みたいな疑問は毎回記事にして発表してもあまり変わらない。今だとワールド人口平準化施策の効果で同じ地域内のワールドにそれほど差はないけど、かつてはワールド毎に人口差もあり「自分ワールドはどうだなのだろう」という疑問は当然出てくるが、JPだけで30個とかあるワールドの情報をそれぞれを記事にしていくわけにもいかないので「ココを見れば各ワールドの最新の状況が分かる」というものが欲しかったので作ったのが「ワールド別統計」だ。
毎回記事にしているキャラクター数動向やレイド踏破者数の統計はあくまでワールド別統計のサマリーという扱いで、本来のLodestone国勢調査が収集している「the Lodestoneのキャラクターデータから分かる事」を体現しているのはワールド別統計の方だ。
ただ、データが持つ価値と面白いか面白くないかは別なのでキャッチーな部分、ワールドを横断した内容、その時期だけ注目があつまる動向などをブログ記事にしている。
■スクエニ公式の冒険者数とアクティブキャラクター数ってかなり違うけどなんで?
2020年9月22日時点でプレイヤー数2000万人(冒険者2000万人と表現することもある)がフリートライアルのページにあるスクエニの公式発表だ。
それに対しLodestone国勢調査での数字は100万を超えたか超えないかなどと一桁違う数字を話題にしている。こう聞くと「どちらかが嘘をついているんじゃないか」と思ってしまう人も出てくると思う。
こういう数字を見る時にはまず「公式が嘘を言っている」と考えない方がいい。第3者が知り得ない数字が嘘である証明を外部でするのは難しい分、公式発表は信用するというのが市場のルールでありそれを裏切ることへのペナルティは非常に重い。
ではLodestone国勢調査の数字の方が嘘かという話になる。自分としては嘘は言ってないとしか言えないが、他にも同じようなデータ収集をしている人がいて、そことの数字に矛盾がないことも一応の証明にはなる。
どちらも嘘を言ってないとしたらなぜ違いが出てくるのか。それは数えているものが違うからだ。
公式発表のプレイヤー数2000万人という数字の注釈にはこうある
*日本・北米・欧州・中国・韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む。累計アカウント数とはサービス開始からいままで登録したアカウントの合計値だ。引退した人のアカウントやフリートライアル版のアカウントも入っている。
Lodestone国勢調査の方は現在活動しているプレイヤー数を知ることを目的にしてアクティブキャラクター数を算出している。
この手のプレイヤー数を示す数字に累計アカウント数を使うことが正しいのかと言えば、他の種類のゲームの販売数との比較で言えば累計値の方が主流だ。
FF15の出荷本数は2019年10月の発表ではパッケージ版、ダウンロード版合わせて890万本らしいし、スマホのオンラインゲームも「ダウンロード数〇〇本突破」という表現を使っている。これはどちらも累計値だ。
FF15をプレイしていた自分は今はプレイしていないとしてもFF15プレイヤーとカウントされることに違和感はない。
買い切りのFF15と月額課金制のFF14では条件が違う?
まさにそれが「数えているものが違う」ということの意味だ。
「条件が違う」と思うのはなぜか。それは「知りたいことが違う」からだ。
そして「何を知りたいか」は人によって違うのでそこに正解はない。
FF15は販売本数に興味があるけどFF14は今プレイしている人数を知りたいというは自然なことだけど、世の中では数字は他と比較されるものだ。一人だけ条件の違う数字を出しても少なめの数字になる条件では不利になるし、大きく出る数字になっても条件によっては「実態より良さそうに見せている」と批判の対象になる。なので企業の立場で言えば出来るだけ揃えるという考えになるのもやむを得ない。
公式発表の冒険者数も最初はフリートライアル版は除外されていた。
それがフリートライアル版を含むようになったのは、フリートライアルの期間が14日間から無期限になった時からだと記憶している。
理屈としては、フリートライアル期間の14日を過ぎた人はもう遊べない(プレイヤーではない)が、無期限になれば遊べる(プレイヤーである)という理屈なのだろう。いわゆるソーシャルゲームの無課金プレイヤーと同じ扱いになる。
フリートライアルを無期限にすることが総合的にFF14の発展にとって良い決断だと判断したということで、プレスリリースの数字を盛りたいからというのは邪推というものだろう。そんなところで運営コストが嵩む判断はしない。
理由はどうあれ企業が出す数字とはこういうもので、嘘はないが必ず「これはこういう数字です」という注釈があるのでそれを読み取るのは読み手側のリテラシーの問題になる。
公式は累計プレイヤー数以外の数字を出していないわけではなく、決算発表会などの場で課金会員数の話が出たこともあったし、2019年9月のインタビューでは吉田Pが「アクティブプレイヤー数は100万を超えた」と回答し、それは当時のLodestone国勢調査の数字と大きく違わない数であった。
※この手の公式発表があった際にはLodestone国勢調査の記事内で言及して裏付け考察をしています。
ただ、スクエニ側がどんな数字をいつ発表するかはスクエニ側の都合なので、プレイヤーとしての自分が知りたい時に取り得る手段でデータを収集して集計しているのが非公式調査であるLodestone国勢調査なのである。
■同時接続数は出せないの?
何人のプレイヤーがその時点でゲームに繋いでいるかを示すのが「同時接続数」いわゆる「同接」ってやつだ。
昔からプレイヤー間ではオンラインゲームの流行度合いをこの「同接」で測る風潮がある。
なぜ同接が重要かというと、対戦プレイであろうが協力プレイであろうが、同続の数がマッチングできるプレイヤーの総量だからだ。
パーティ募集でも、同時に接続しているプレイヤーが多ければ多いほどお目当ての募集や立てた募集に参加してくれるプレイヤーが増える。
WebサイトであるThe Lodestoneにはそのキャラクターが今ログインしているか分かる機能はない(知り合いのウォールに「ログインした」と通知はできるがログアウトはわからない)のでLodestone国勢調査の調査方法では分からない。
完全ではないが推測できる方法が2つある。
ゲーム内でワールド内のプレイヤー検索を使って調べる方法と、Steamの同時接続数を見る方法だ。
ゲーム内のプレイヤー検索を使った方法で調べているのが「FF14 サーバー人数報告スレ」の人達だ。
プレイヤー検索のHit上限は200件までだが、エリア、所属GC、レベル帯など細かく分けて合算して全体の数を出す方法だ。ただしコンテンツ中(コンテンツ用サーバーにいる)のプレイヤーはHitしないので、ビギナーチャットの参加者リストでメンターやビギナーのID率から補完して全体を推測していたりする。
リンク張っても流れてしまうので「FF14 サーバー人数報告スレ」で検索すれば出てくる。
1ワールド毎に調べる必要があるが調査する時間帯が人の少ない時間帯にズレると結果に影響するなど制約が大きい。加えて条件を変えてサーチして合算するなど手間もかかるので有志が調査できるワールドも限られており、割合からの推定値で補っている部分が多い
Steamの同時接続数は以下から見える
https://steamcharts.com/app/39210
同時接続数の調査としては一番信頼できる方法だが、対象がSteam版のFF14プレイヤーに限られる。
Steam版はゲーム内容こそWindows版と同じだけど決済関連や拡張版購入時の制限などの問題で敬遠されがちなのでカバー率は高くないと思われる。
ただ、グラフの増減から全体が増えているのか減っているのか推測はできるし、1時間単位から推移を見れる解像度は凄い。
以上のように、同時接続数についてはその全容を知ることは難しい。
吉田Pが同時接続数を発表したのは新生直後のサーバー容量問題でログイン制限していた時の状況説明や新生直後のエオルゼア領勢調査の時くらい。
同時接続数はサーバーのキャパシティ設計においては重要だけどプレイヤーのプレイ体験的には必ずしも正義というわけではない。
FF14では1ワールドの同時接続数などは、ワールドを超えてマッチングするコンテンツファインダーやワールド間パーティ募集、ワールド間テレポがあるので数字そのものそのまま参考にはならない。
パーティを組まないと何もできなかった故に同接の数字を気にしていたかつてのオンラインゲームと違い、ソロでも楽しめる部分が多くなった。
むしろそうしたプレイ環境の快適性という実質的な関心を超えてゲームの流行り廃りや他のゲームとの人気の比較のような話題に消費されがちになっている。
「同時接続数の数値を下げたくない」と考えると自動狩りなどゲーム内で放置することにインセンティブがある設計になりがちになるが、それがプレイ体験の向上に繋がらなずにサーバーのコストだけ嵩むことなれば本末転倒だ。
そういった時代の流れを2017年のMMORPGプロデューサー・ディレクター座談会で語っていた。
■なんでアクティブなプレイヤー数でなくキャラクター数なの?
自分もアクティブなプレイヤー数が知りたい。
でも、The Lodestoneにあるのはキャラクターのデータだけでそこに紐づいているアカウントの情報が追えないので仕方なくキャラクター数で見ている。というのが回答だ。
なので原理的にサブキャラの判定もできない。
「どのキャラとどのキャラが同じアカウントか」なんて分からないしデータ上「このキャラをメインにします」なんていうフラグも無い。ただキャラクターデータの差から活動していそうなキャラクターかそうでないかを判断することしかできない。
ただ、過去に別ソースを用いてアクティブキャラクター数とアクティブプレイヤー数(アカウント数)の差を調べたことがある。
一つは2017年6月6日の記事で2016年に行われたセブンイレブンコラボキャンペーンの特典マウントの取得者数(営業資料のリーク)と当時の同マウントを所持していたアクティブキャラクター数の比較。
もう一つは2019年6月13日の記事で同じ時期の株主総会での松田社長の有料会員数の言及と当時のアクティブキャラクター数との比較だ。
2017年の調査ではサブキャラ率14%。2019年の調査では20%と推測した。
後者が増えているのは、拡張前でアップデートが少ないいわゆるナギ節の時期で、かつ前者の時になかった課金でのレベルブーストによってアクティブの足切り基準を超えることが可能になった点が大きいだろう。
それでも20%。5キャラクターいればその内1キャラクターは残り4人の中のだれかのサブキャラという割合だ。
2017年の記事でも言及しているが、当時別の調査でコラボキャンペーン特典のマウント取得者数と全キャラクターの所持マウント調査で、所持キャラクター数がマウント取得者(アカウント)の2倍いたことからLodestone国勢調査でのアクティブキャラクターの半分はサブキャラだという人が今もいる。
アカウント単位での特典では作成したてのサブキャラでもマウントは取得可能だ。
アクティブ判定で足切りをしていないケースではマウント取得者の2倍所持キャラクター数がいたという調査結果それ自体は問題ないのだが、前提条件を抜かして「半分はサブキャラ」という部分だけ引用している部分で誤っている。
それでも根拠となる調査の出典を提示しているならばまだ誤解の範疇だが、出典も前提条件も示さず都合の良い部分だけ引用してさも根拠があるように言うのはフェイクニュースのやり口と同じだ。
当時も指摘したことだが、未だにLodestone国勢調査の引用記事のコメント欄に「半分はサブキャラ」と引用もなく書き込む人がいるので改めて注意喚起しておく。
■アクティブキャラクターの判定ってどうやっているの?
判定方法を説明する前に、自分がどういうキャラクターを除外したいと考えているかをまとめよう。
除外したいキャラクターは本当に知りたいキャラクター数に対するノイズである。
- フリートライアル中のキャラクター
- 引退や休止しているキャラクター
- サブキャラクター
- イベントなどで運営が用意したキャラクター
- Bot/業者
- フリートライアル中のキャラクターはフリートライアルのレベル上限以下である
- フリートライアル中のキャラクターはFCに所属できない
- 引退や休止しているキャラクター情報には変化がない
- キャラクターの装備が成長したり別ジョブになった場合は最終的にVIT値すなわちHPが変化している
- サブキャラも育てていなければフリートライアルのレベル上限以下
- サブキャラをジョブレベルブーストしてもまともに育てる気が無ければブースト時のレベルと装備のまま
- イベントで運営が用意したキャラはカンストレベルでGC未所属(それっぽい名前で調べて見た傾向)
- 業者キャラクターはストーリー進めずマウントも取らずスターターパックでのレベル上限になっている
これらの特徴を元に判別する。こうしたデータの中からノイズを除去する作業をデータクレンジングという。
データクレンジングで注意しないといけないのは本来カウントすべき有効なキャラクターが巻き込まれて除外されてしまうケースがあるということだ。
具体的に言えば、FF14を始めたばかりでまだフリートライアルのレベル上限以下のキャラクターだ。
それでもフリートライアルのレベル上限がレベル35だった頃は初めて1週間もすれば到達できるレベルだったので許容できる範囲だったが、今回のフリートライアル拡張でレベル上限が60まで広がった。スターターパックのレベル上限と同じである。進めるのが早い人なら1,2週間で行けるが、自分のペースで楽しむ人(とても良いプレイスタイル)だと1,2か月はかかるかもしれない。そういうユーザーを除外しても良いのか。
そこで考えたのがフリートライアル中のキャラクターはFCに所属できないという制限を利用すること。逆にいえばFCに所属をしていれば少なくともフリートライアルではないということになるからだ。
ただ、単純にFC所属していればOKとしてしまうとFCに入れているサブキャラクターも入ってしまう。
FCチェストやハウジング倉庫つかってインベントリ枠を節約するのは自分でもやっている。結局レベル制限も入れるしかない。
ではどこにラインを引くのか。35か50か・・・・
FCに入っているプレイヤーはカウントするがFCに入ってないプレイヤーは除外します。という説明に納得感があるのか。
システム上の制限がない中で何を入れて何を除外するのか自分でラインを引くのは難しい。
こういう時は保守的にラインを引かないと調査を踏まえての議論の前に調査そのものにケチがつく。
結局いろいろ考えて、フリートライアルのレベル上限の60を足切り基準にすることにした。
スターターパックのプレイヤーも除外してしまうことになる。
ただ、データクレンジングではノイズ除去の精度も大事だが、統計データの結果を説明する時のシンプルさも大事である。
「フリートライアルとスターターパックのレベル上限以下のキャラクターは除外しました。数えているのは少なくとも拡張パック購入した中でアクティブなキャラクター数です」
と言った方が分かり易い。
除外されるプレイヤーも当然出てくるが、エンドで活躍できるほど育成されたサブキャラもいるのでその分相殺されていると考えることもできるだろう。もちろん、カンストしたキャラクターがサブかどうかを判定する方法はないので推測になるが、こういう疑義の入りやすい数字は保守的に出した方がいい。
最終的に、2020年9月22日のLodestone国勢調査でのアクティブ判定は以下の通りとなった
- キャラクターの最大レベルが60を超えるもの(60ジャストから経験値が少しでも入っている)
- マウントの所持数が1以上
- 前回の調査からHP,ミニオン数、マウント数が変化している
- グランドカンパニーに所属している(未所属でない)
- ジョブレベルブーストのブースト支給武器のままレベルアップしてないものは除外
最後のは分かりにくいけど、他DCの友達と遊ぶ用にシナリオスキップとジョブレベルブーストを入れてミラプリを整えただけってキャラクターを自分も持っているので、そこはワールド間テレポ実装後のサブキャラの典型として判別可能な範囲で可能な限り除外しようと考えた次第。
今回フリートライアル版のアカウントはスターターパックごと除外したが、フリートライアルの拡張施策に効果があれば最終的には拡張パック後のキャラクター数も増えていくことだろう。アクティブキャラクター基準の変更で減った分以上にFF14が成長し、前回のアクティブキャラクター数を遠くない未来に更新してくれることを期待したい。
【追記】2023年10月3日のパッチ6.5でフリートライアルのレベル上限が70に引き上げられた。足切り基準もそれに従い引き上げた。
■どうやってデータを収集しているの?
公式プレイヤーサイトのThe Lodestoneからデータを収集しているとは言っても細かくはどうやっているかを説明しよう。
技術的な用語で言えば、WebサイトのHTMLページを取得するクローリングという技術と、HTMLページから必要な情報を抽出するスクレイピングという技術を使っている。それぞれの技術の説明は特にしないので以下はそれらがある程度分かっていることを前提に説明する
下記はThe Lodestoneの番長のキャラクターページのURL。数字になっているのがキャラクターのIDになる。
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/1684254/番長のIDは数字にすると168万くらいだけど最新のキャラクターのIDは3000万を超えている。
公式では累計2000万冒険者だからね。
このIDを1から3000万超えてキャラクターデータがなくなるまで総当たりでやるとおそらく全キャラクターのデータが取得できるだろう。
ただ、ちょっとキャラクリして動かしみてそれっきりだったり休止して動かないキャラクターが大半であり、物理的にこの量を取得するにはかなりの日数が必要だ。
もっと賢いやり方はないか・・・
と考えて目をつけたのがキャラクター検索のページ
キャラクター検索のページは以下の抽出条件を設定することができる
- ワールド
- 部族(ルガディンじゃなく、ローエンガルデの方)
- 性別
- クラス/ジョブ
- グランドカンパニー
- 使用言語
実際は全条件を指定しないでも2000件上限の範囲内で取れるものもあるので、その場合は条件指定を省略して検索回数を減らしていく。
前回まではレベルの高い順に2000件、低い順から2000件の最大4000件取得していたが、今回足切り基準をパッチ5.3からのスターターパックとフリートライアルのレベル上限の60にしたので、レベルの低い順のデータはほぼ不要と割り切って検索結果のレベルが高い順最大2000件づつ取得している。
また、抽出条件をレベル60にしたのでグランドカンパニー未所属やバトルクラス(ジョブになる前)のデータも不要と判断して抽出条件から除外した。
グランドカンパニー未所属やバトルクラスのレベル上位キャラクターはほとんどストーリーを進めてない業者Botだったので今回の条件見直しでかなり抽出数を削減できた。
キャラクター検索で抽出したデータからレベル60以上もしくはFC所属のキャラクターのキャラクターページを一つづつ取得していく。
ここでFC所属を入れたのは最大レベル60以上でもたまたまそれ未満のジョブやクラスになっていた正式版のキャラクターデータを少しでも拾うためで、集計時のアクティブキャラクター判定では最大レベル60以下は除外している。
こうして絞り込むことで対象キャラクターは3000万超から1/10以下になる。
1キャラクターのページは、ステータスや装備、クラスジョブのレベル、ミニオン、マウントのページに分割されているのでこれをそれぞれ取得して1キャラクターのデータになる。
通常ブラウザでキャラクターページを見ると、HTMLデータの他にアイコンやキャラ画像などの大量の画像データや色々な処理のためのスクリプトファイルがダウンロードされるが、ここではHTMLデータしか取得しないのでページの取得はブラウザで見るのに比べて軽い。
これらの工程を数日かけてデータを取得していく。
取得元をいろいろなサーバーで分散して取得すれば収集スピードは上がるが、今はThe Lodestoneのサーバーに負荷がかかりすぎないようにPC一台でデータ取得のレスポンスを見ながらアクセス制限にかからない範囲で調整してデータ取得している。
こうして収集データと、前回調査で収集したデータのキャラクター情報を比較してステータスの変化などからアクティブキャラクターの判定を行う。
つまり、今からLodestone国勢調査と同じことをやろうとすると最低2回期間を空けてデータ取得しないとアクティブなキャラクターか休止中のキャラクターか判断つかない、ということだ。
The Lodestoneのサイトは数十万ユーザーやGoogleなどの検索サービスのクローラーなどのアクセスも日々処理しているので、PC1台分のアクセス制限の範囲内であれば負荷的には問題ないと考えているが、それでもいろんな人がLodestoneのデータを取得したいと思うとサイト側も今以上にアクセス制限を掛ける必要が出てくるので、わざわざ皆さんがデータ収集しないでも済むようにThe Lodestoneのキャラクターデータから知り得た情報は公開していくポリシーを取っている。
■集計間隔は毎月とか固定しないの?
現在のLodestone国勢調査は、メジャーパッチのリリース前とリリース後〇.〇5リリースの前あたりのタイミングで行っている。
キャラクターがアクティブかどうかの判断にログイン情報は使えず、キャラクターデータの変化しか手掛かりがないので、キャラクターデータに変化が起こりやすい前後でデータ収集している。
拡張リリース前や、今回のコロナ過の影響によるパッチリリースの延期などがあるとその分期間が空いてしまうことになる。
前回の5.3直前の調査では4か月ほど空いたが5.3リリース後の調査では1か月半ほどしか空いて無い。
週に何日か定期的にログインするようなユーザーは集計間隔が1月半だろうが4か月だろうがあまり変わらないが、定期的にキャンペーンなどでプレイを始める新規ユーザーは調査期間の影響を受けやすい。
なので新規ユーザー数の比較をしたいなら集計タイミングを毎月や隔月に固定してデータ収集した方がより正確な動向が出せるだろう。
ただ、データ収集には十数日かかるのでコンテンツの攻略進捗などを見たい時はパッチリリースのタイミングに合わせて前後のデータを取らないと中途半端なデータになる。
また、拡張パックリリース前などの装備更新がない時期はログインして遊んでいてもThe Lodestoneのキャラクターデータ上変化が見られないことも珍しくない。
FF14にはパッチリリース毎に波があるのでその波に合わせて調査した方が変化を捕らえやすい。
結局自分が何かを知りたいと思う部分が毎月の変化ではなく、パッチリリース前後でのプレイヤー動向の変化なのでLodestone国勢調査は現在のパッチリリース前後に期間を空けて調査する形を取っている。
■ジョナサスレポートで最新のアチーブメント情報が反映されないのだけど
2020年4月に公開したアチーブメント情報可視化ツール「ジョナサスレポート」。おかげ様でいろんな人に使ってもらっている。
ジョナサスレポートで見れるアチーブメント情報は、単にそのキャラクターがアチーブメントを取得しただけでなく、データセンターや地域内での取得率や、その中でどのくらい早期に取得したかなどの指標も出している。
対象キャラクターのアチーブメントデータはツール上でデータ取得したタイミングのものが反映されるが、全体の統計情報は毎回Lodestone国勢調査のデータ収集後にそこで取得したアチーブメント公開状況を見てキャラクターのアチーブメント情報を追加収集して集計している。
なので最新のアチーブメント情報が反映されるまでしばらく時間がかかる。
ジョナサスレポートは冒険の思い出を振り返るツールなので昨日クリアしたアチーブメント情報を反映されなくても気長にお待ちいただきたい。