暁月のフィナーレが約2週間遅れてリリースされてから約1か月。旧から始まったハイデリンとゾディアークの物語を前宣伝通りきれいに完結させ、レビュー集積サイトMetacriticでも一時は評判の高かった漆黒のユーザースコア9.1をさらに超える9.5を記録し、まさにFF14の集大成と言える出来だった。
※今みたらユーザースコアは暁月が9.4,漆黒が9.2だった。
メディア評価の平均スコアも漆黒が90で暁月が91と前回の拡張を1ポイント上回った。1ポント差が有意かどうかは怪しいが少なくとも前作に匹敵する評価を得ている、ということだろう。

メタスコア

Steamの同接グラフにおいてもユーザー数の増加は突出している。
steam同接

暁月リリース時のSteam同接は漆黒リリース時のピークの2倍以上で、若干追落ち着いた現在においても有名ストリーマーの影響で欧米圏のユーザー数がスパイクしてニュースにもなった昨夏に並ぶ水準で推移している。暁月リリース前から心配されていたユーザー数爆増によるログイン困難はやはり発生した。アーリーアクセス期間では日本でも夜の混雑する時間帯、通称ゴールデンタイムにはログインに1時間や2時間待つような状況になっていた。現在ではログイン状況こそ大分改善されたが、スターターパック、コンプリートパックの出荷停止や広告の停止は今も続いている。根本対応となるサーバー増強についても既報の通りまだまだ時間がかかる模様である。

暁月初の零式である万魔殿パンデモニウム辺獄編零式リリースを明日に控え、レイド踏破者数調査が中途半端なタイミングになるのが嫌だったので今回はいつもより早めにLodestone国勢調査の更新を行った。


画面イメージ

ワールド別統計とは、Lodestoneのキャラクター情報を収集・分析して、ワールド毎のプレイヤー動向をいろんな角度で掘り下げるLodestone国勢調査の集大成。前回の更新は暁月リリース前の11月5日。2か月ほど前になる。11月19日の暁月アーリーアクセス前に…と思ったらリリースの方が2週間ほど伸び今回は暁月のアーリーアクセスからちょうど1月後の調査となった。
アクティブキャラクターの判定などの詳細などは「Lodestone国勢調査のよくある疑問」という記事にまとめてあるが、今回はステータスのデノミネーションが行われたのでアクティブキャラクターの判定方法に以下の修正を加えている。
  • 何かしらログインして操作を行ったシグナルとして使っていたHPの変更検知は削除。何もログインしていないキャラクターでも差分が出てしまうため。
  • 経験値の差分検知について、前回調査のデータの経験値部分をゼロに更新した上で今回の調査と比較している。公式のデノミネーションが同様の対応を行ったのでそれに合わせた対応。
それでは結果をみてみよう。
・アクティブキャラクターは135万、暁月キャラクターは103万

集計対象のベースとなるアクティブキャラクターの判定基準は以下の通り。
  • 最大レベルが60以上(60ジャストを含まず)  OR ジョブがフリートライアルで解放できないジョブ OR FC所属
  • 前回(11/5)の調査からレベル、経験値が変動している
  • 前回の調査から、ミニオン、マウント所持数が変化している
  • 前回調査では居なかった新規キャラクター
  • マウントの所持が1体以上
  • データ取得時のジョブでジャンピングポーション使用(データ取得時のメイン武器のIL260かつ戦闘ジョブ最大レベルが60もしくは、同IL390で戦闘ジョブ最大レベルが70)キャラを除外
※以前記載していたFC所属条件はフリートライアルの足切り条件の一つであり独立した条件ではありませんでした。FC未所属のアクティブキャラクターは居ます。集計処理は以前から変えていませんが説明の記述が不正確なため修正しました。

リージョン別暁月キャラクター数動向


アクティブキャラクター数は前回(162万)から27万減の約135万
新規キャラクター数は前回の56万から約38万減の18万
前回非アクティブだったのが今回アクティブになった復帰キャラクター数は前回の33万から21万減の12万。
前回からアクティブで継続しているキャラクター数は73万から31万増加の約104万
暁月開始は103万。暁月レベルキャップ到達は64万。暁月クリアは57万
暁月アーリーアクセスは前回の86万から24万増加して110万
暁月CE版のキャラクターは48万

アクティブキャラクター数が過去最高だった前回から27万減と大きく下げている。
これは、前回、前々回と比較して集計期間が短く期間に比例する新規などが少なくなる調査上の事情に加えて、公式でのスターターパック、コンプリートパックのパッケージ出荷,DL販売停止などが影響していると考えられる。
※現在フリートライアルも停止しているが元々対象外のため集計結果に直接の影響はない。
継続キャラクター数が初の100万越えをしている。前回はアクティブキャラクターの1/3が新規という状況だったが、継続キャラクター数は大幅に伸びているので漆黒終盤で増えたプレイヤーの定着率も良かったのだと思う。

アーリーアクセスの適用キャラクター数もかなり増えてアクティブキャラクターの81%ほどになっていることも販売停止による新規プレイヤーの流入制限の影響を物語っているだろう。

暁月のメインクエストをクリアしているキャラクター数は暁月開始キャラクター比で55%。まだ暁月まで行けてないレベルのキャラクターを含めたアクティブキャラクター比で42%ほどいる。その割合を100%から引いた数がまだ暁月のエンディングを見てないキャラクターだ。
漆黒ではリリースの約2週間後にネタバレ解禁のお報せがツイートされた。暁月では年明けくらいを予定していると吉田PがPLLで言及していたが、運営もプレイヤーのクエスト進捗状況を見ていると思うので、この状況をどう判断するか気になるところ。
どちらにせよ、SNS上でのネタバレは自衛が基本だし、ネタバレを指摘することそのものがネタバレを拡散することにもなるし、プレイヤー同士の諍いを生むのも公式は望んでないはずなので、あくまで個々人が判断するもので他人に求める性質のものではないことを心に留めておいていただきたい。

結論としては好調が続いていると解釈できるが新規プレイヤーが増えないMMOは先細りになるので、早く販売再開しても問題ないインフラ状況になることを期待している。

・ワールド別の人口動態
ワールド別の人口動態も見てみよう。
人口動態


表は増減の大きい順にソートしている。今回もGoogleのスプレッドシート版にシートを追加する形で公開しているので、気になる人はいろんな切り口で見て欲しい。

現在、ワールド人口平準化施策による指定はすべてフラットに通常ワールドになっている。
既存プレイヤーによる新規キャラクター作成は出来るものの、新規プレイヤーの流入は停止されていて、ホームワールド変更サービスも停止中なので優遇指定などはほぼ意味ない状況だ。

新規の制限などにより全体が大きく下げている影響でNA.EUのワールドが大きく人口減になっている。
JPのワールドも基本的には減少傾向だがManaデータセンターのワールドは減少幅が少なく、特にIxionはこの状況で大きくプラスになっている。
今回の集計期間の半分は漆黒終盤で新規キャラクターも作れたのでその時期に増えたのだろう。
Elementalにオセアニア圏のプレイヤーが多いように、最近グローバル版を遊ぶ中国語圏のプレイヤーがManaに増えているそうで、そうした傾向が影響したのだと思われる。

・リーパー、賢者の追加でジョブの人気状況
暁月で追加された新ジョブのリーパーが比較的素直な操作性でしかも性能が高いと評判がいい。新ヒーラーの賢者も、スキル名こそネタにされがちだけどプレイ感を問題にする声はそんなに聞こえないので多分イイ感じなのだと思う(自分は今賢者76くらい)。

Lodestone国勢調査ではそれぞれのキャラクターのメインジョブこそ分からないものの、Lodestoneで表示されているジョブや武器のアイテムレベルの分布からなんとなくジョブ人口が想像できる。

厳密な比較などは難しいが、ワールド別統計をぱっと見て分かる印象などを見てみよう。
下記はLodestoneに表示されているキャラクターのジョブとメイン武器のアイテムレベル分布である。
表示しているのはJPのデータだ。
※ちょっと前にワールド別統計に上位のデータセンター、リージョン、グローバル全体を選択できる機能を追加したのでここで宣伝しておく。

ジョブ比較JP
白い部分も含めたグラフ全体はLodestoneに表示されているジョブ人口比になっている。
もちろんレベリング中のものも多いので実際のジョブ人口を反映したものではないが、グラフの下の方の濃い部分は下に行けば行くほど高いILの武器を持ったキャラクターの数になっている。
メインジョブが戦士でIL580の武器を持っているがたまたまレベリング中で武器のILが530の賢者にしていれば戦士のIL580にはカウントされずに賢者のIL530の方にカウントされるので正確なメインジョブ人口分布にはならないが、どのクラスも同じ条件なのでここから簡易的にメインジョブ人口が分かるのではないか、という発想で作られているグラフだ。

これを見るとDPSの中ではリーパーの濃い部分が突出していてリーパーの人気っぷりが伺える。
ヒーラーは白魔道士が人気だが、新ジョブの賢者もなかなか多い。賢者と同じバリアヒーラーの枠で押されていると思われた学者は、賢者に届かないものの存在感は出している。ヒーラーで突出して少ないのは占星術師だ。

タンクの方も見てみよう。暁月PVの主役ジョブのナイトが一番多いがタンク4ジョブどれも突出して少ないということはなくイイ感じでバラけている。

近接物理DPSではリーパーが突出して多いが忍者の減り方が気になる。
下記は前回調査時のグラフ(今は見れない)だ。
ジョブ比較JP前回
前回でも忍者は多いわけではないが近接物理DPSで最も不人気なモンクよりは多い。それが今回逆転して最不人気になっている。
遠隔物理DPS、いわゆるレンジは前回一番人気の機工士を今回吟遊詩人が逆転している。それでも3ジョブにそんなに差があるわけではないのでバランスは取れていると言えるだろう。
遠隔魔法DPS,いわゆるキャスターだが最近ちゃんとキャスト(詠唱)しているのは黒魔導士だけという噂。人気の順はそれほど変わってない。
ヒーラーは前述の通り。占星術師は前回でも最下位だったが今回大きく学者に水をあけられている。
NAの方も見てみよう。
ジョブ比較NA
基本的な傾向は同じだが、忍者と占星術師の不人気はJPより若干緩和している。
レンジでは踊り子、キャスターでは召喚士の方が人気らしい。
白魔道士の人気も若干落ちて賢者といい勝負になっている。
タンクでは暗黒騎士の人気が低い。

EUもみてみよう。
ジョブ比較EU

基本的にNAに傾向が近いがこちらはまだ忍者の人気がモンクを上回っている。どちらにしろ僅差で下の方だけど。

明日リリースされるパッチ6.05ではおそらくジョブ調整が入るので今回不人気になってしまったジョブをメインにしているプレイヤーに何かしら朗報があることを願っている。


・ヴィエラ男性の追加
暁月では新種族としてヴィエラ族の男性が追加された。デジタルファンフェスでの実装の発表からそのイケメンぶりが話題になり、実際にキャラクタークリエイションが出来るベンチマークが公開されるとみんなが作ったイケメンヴィエラがTwitterをにぎわせた

暁月のフィナーレがリリースされて実際にどのくらい増えたのだろうか。
気になったので調べてみた。
種族変更JP

この調査は漆黒最終版の前回と今回の両方でアクティブなキャラクターを対象にリージョン別で種族人口がどのくらい変化したのかを調べたもので、まずはJPから見てみよう。
まず注目されるのはヴィエラ男性の暁月での人口構成比がいきなり8.8%もあることだ。人気のミコッテやアウラ、ララフェルの女性よりは流石に下だが、男性では全種族のトップになっている。
人口増減の比率でみると、ミコッテ男性が漆黒比で76.8%と1/4のミコッテ男性が減少するという状況になっていて、おそらくその多くがヴィエラ男性に変わったと思われる。
意外とヴィエラ女性の数は減っておらず、ヴィエラ族の中での転向は少なかったようだ。
ワールド別統計の種族構成のグラフで見るとその存在感は一目瞭然だ。

種族構成グラフ
男女合わせた種族全体では若干まだヒューランの方が多い。人口の多いヒューラン、ララフェル、ミコッテ、アウラと人口の少ないエレゼン、ルガディン、ロスガルの2極化が進んでいると言えるだろう。

暁月リリース直後の調査なので新種族お試しの時期でもありパッチ後半には揺れ戻しもあると思うので次回も継続的に調査していく。

次にNAのデータも見てみよう。
種族変更NA

海外でもヴィエラ男性人気の傾向は変わらない。JPと比べてララフェルの人気が低い以外は傾向は似ているが、NAでの人気の男性種族はハイランダートミッドランダーを合わせたヒューランがヴィエラ男性を上回った。ミコッテ男性も肉薄しているし、JPでは不人気なアウラ男性もNAでは人気が高いので今後揺れ戻しがあれば順位は落ちるかもしれない。

種族構成グラフNA


EUもみてみよう。
種族変更EUpng

JPやNAと比較すると若干抑えられてヒューラン男性、ミコッテ男性の次点に来ているがそれでも人気が高い。ヴィエラ女性が漆黒最終よりもなぜか若干増えている。
種族構成グラフEU

まとめると、新規実装されたヴィエラ男性はどのリージョンでも大人気という結果だった。
まだイメージは影も形もないがロスガルの女性も実装に向けて動いているとのことなので、今回のヴィエラ男性のように種族構成比にインパクトをもたらすくらい支持されるロスガル女性のモデルに期待せざるを得ない。

今回の調査報告は以上だ。
Lodestoneのアチーブメントデータから自分のキャラクターの歩みを可視化できるジョナサスレポートも暁月の最新状況に対応させた。

fig1

新拡張の対応は年表の新しいフェーズ、新ジョブ、レベルキャップ解放など対応ポイントが多いのでそれなりに大変だったのだがデータ収集と平行してコツコツ作業して対応したので、ぜひ世界を救った光の戦士の歩みをジョナサスレポートで思い返してみてほしい。
※キャラクター年表はクリア済みメインクエストまでのネタバレが含まれるのでSNSで共有する時はご注意ください。