先週12日発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下ティアキン)。高すぎる前作のハードルを越えTwitterにはクリエイティブで楽し気ではっちゃけたクリップが流れてくる。自分は今リアルがちょい多忙でプレイできてないが、来月のファイナルファンタジー16(以下、FF16)の発売前にはプレイしてクリアしておきたい。

そう、もう来月にはFF16が発売されてしまうのだ。
前作のFF15は発売前にはアニメ作品はあるはフルCG映画作品はあるは事前にデモや体験版を出すなど実際に触れられるコンテンツでいろいろプロモーションをしていたが、FF16は公式のプロモーション動画以外にはほとんど情報やコンテンツを出しておらずプロモーションのやり方としては対照的だと感じる。

FF14プロデューサー兼ディレクター兼FF16プロデューサーの吉P自らが解説するSony公式のState of Playの映像からは期待を裏切らない出来であることに疑いはない。


ただ、懸念点として挙げられるのが現時点で唯一の対応プラットフォームであるPS5のハード普及台数による販売本数の限界。
PS5の累計販売台数はグローバルで3000万台、国内で300万台と報じられている。先日発売されたディアキンは発売3日でグルーバルで1000万本を超えたそうだが、対応プラットフォームのSwitchはグローバルで1億2500万台、国内では3000万台に届く勢い
日本国内でゲームがプレイできるハード普及台数で10倍の差がある状況なのだ。
そうした事情に詳しくない一般ユーザーに対して、分かり易い販売本数だけでティアキンとFF16を比較してディスるインフルエンサーも出てくることは想像に難くない。

リリース前からそんな逆境が予感される状況だが吉田PはじめFF16開発陣にはぜひプレイ体験で覆してほしいし、リリース日からPS5でプレイする予定の諸兄にはSNSでの積極的な発信を期待したい。


・・・という状況でパッチ6.4リリースを来週に控えた我らがFF14である。
万魔殿パンデモニウムシリーズの最終章たる天獄編や、第13世界を巡るメインクエストの決着となるかゴルベーザ討滅戦。庭具消費無しで90個まで設置できるという無人島アップデートなどこちらも気になる情報でいっぱいだ。

そんなパッチ6.4リリース直前のプレイヤー動向を探るべくLodestone国勢調査の更新を行った。


画面イメージ

ワールド別統計とは、Lodestoneのキャラクター情報を収集・分析して、ワールド毎のプレイヤー動向をいろんな角度で掘り下げるLodestone国勢調査の集大成。前回の更新は3月6日。そこから約2か月くらいでの変化を反映している。

アクティブキャラクターの判定などの詳細などは「Lodestone国勢調査のよくある疑問」という記事にまとめてあるので参照されたし。
・アクティブキャラクターは139万、暁月キャラクターは111万

集計対象のベースとなるアクティブキャラクターの判定基準は以下の通り。
  • 最大レベルが60以上(60ジャストを含まず)  OR ジョブがフリートライアルで解放できないジョブ OR FC所属
  • 前回(3/6)の調査からHP,レベル、経験値が変動している
  • 前回の調査から、ミニオン、マウント所持数が変化している
  • 前回調査では居なかった新規キャラクター
  • マウントの所持が1体以上
  • データ取得時のジョブでジャンピングポーション使用(データ取得時のメイン武器のIL260かつ戦闘ジョブ最大レベルが60、同IL390と最大レベルが70、IL530と最大レベルが80)キャラを除外
DC別暁月キャラクター数動向


アクティブキャラクター数、新規キャラクター数、復帰キャラクター数、継続キャラクター数などベーシックな部分は前回とほぼ同様の数字。
暁月開始は111万(3万増)。暁月レベルキャップ到達は89万(4万増)。暁月クリアは81万(4万増)とプレイヤー全体での進捗は若干進んでいる。

主要な数字がここまで変化しない状況というのも珍しい。
ゲーム内容的に変化が無いという状態ならアクティブは下がるが、そういったことでもなく流入と休止の流れも含めてバランスしている状態だ。

各DC同じだけ増えたり減ったりしても、新DCのDynamisは割合としては伸びている。
オセアニアのMateriaDCも若干伸びているがDynamisのようにDC間テレポで大きい既存コミュニティに繋がれる状況とは違って、プレイヤー規模がダイレクトにプレイ環境に影響するのがMateriaDCの辛いトコロ。

先日2日間のメンテナンスが入った北米データセンター。現時点で話題にはなっていないがDynamisDCに新規4ワールドを追加して計8ワールドになるサーバー拡張の予定が2023年春から夏とされている
先日のメンテナンスはおそらくその準備で本来ならもうワールド追加の案内があってもおかしくない時期だと思う。

しかしLodestone国勢調査の数字からは今ワールドを追加して北米新規をさらに分散させるのは良いことなのかは疑問がある。
プレイヤー視点で見れば、サーバーが足りないよりは余裕がある方がメリットが大きい。
プレイヤー数の増減で言えば、新設DCの立ち上がりこそ苦戦しているがFF14全体としてはいつもの拡張と拡張の間の波の範囲内だし、むしろ暁月リリースで増えたプレイヤー規模を維持しながら推移していると評価している。
なので、2023年春から夏予定のDynamisDCの4ワールド追加や2023年夏予定の欧州に新DC8ワールド追加が延期されたところで既存のプレイヤー的にネガティブなことは何もない。

ただ、DynamisDCの新規ワールド追加の延期という判断は2022年1月に発表した運営規模拡大計画の見直しということになるので「FF14の成長が計画通りに行ってない」「FF14の快進撃もここまでか」みたいなネガティブキャンペーンの材料にされるのは気分が良くない。

「ならわざわざこのブログで言及しなくてもいいじゃないか」と言う人もいると思うけど客観的に確認できる材料を切り貼りして一見妥当な考察に見えるネガティブ記事は作れるので、そんな記事で話題になるよりは、懸念材料も織り込みつつ前向きに考える言説を増やしていきたいと考えている。

今後ファンフェスでの7.0の発表による期待感や、FF16に感動したMMORPG未経験のFFファンが同じ開発チームが作ったFF14に興味を持ってくれるなどでプレイヤーが爆増するかもしれない。
2021年のようにFF14側とは直接関係のない外部要因で伸びることもある。
その時はじめて「2022年のあのタイミングからインフラ投資していて正解だった」ということになる。2022年頭に吉田Pが語った「FFXIVの新たなる挑戦 ~次の10年に向けて~」とはそういうチャレンジである。だからいつもフラットに前向きな感じでゲームを楽しむ一部としてこうした分析や考察も楽しんでやっていきたい。


・ワールド別の人口動態
ワールド別の人口動態も見てみよう。
人口動態


表は増減の大きい順にソートしている。Googleのスプレッドシート版にシートを追加する形で公開しているので、気になる人はいろんな切り口で見て欲しい。

人口増のトップ層は新設ワールドが目立つ。新規だけでなく転入も多い。特にDynamisのSeraphで転入が頭抜けて多く、おそらくNAコミュニティでSeraphに集まる何かがあったのだろう。事情をご存じの方がいたら教えてほしい。

日本DCでは3月7日にManaDC配下のワールド全部が混雑指定されて新規キャラクターが作れない状況になった。日本DCで始めたい新規プレイヤーの受け皿としてGaiaの優遇ワールドが人気、次いでMeteorDC、最後にElementalとDCの人気が分かれた。ただ優遇と通常の差をひっくり返すほどの人気差ではない。

全ワールド混雑指定されたManaDC配下のワールドは増減としてはあまり変化がない。NA,EUの混雑ワールドは増減でマイナスになっているところが多い。


今回は全体として横ばいだが、むしろ全体の数字が変わらないからこそJPとNAの増減幅の違いなどに影響されずに優遇や新設、混雑指定の影響が見えて面白かった。


・高難易度レイド踏破状況
前回に引き続き万魔殿パンデモニウム煉獄編零式と合わせてLodestoneのデータで分かる絶オメガ検証戦のデータを一緒にみてみよう。
レイド踏破者数

絶オメガ検証戦踏破キャラクター数の判定は今までの絶踏破者数の調査と同様、データ収集時のLodestoneのキャラクターデータで、装備に絶オメガ武器を持っているか、クリア称号を付けているキャラクターを踏破キャラクターと判定している。称号を付けてなかったり、データ収集時のLodestoneのデータがたまたま絶武器を持ってないジョブのものだったりするとカウントされない。
また、前回の調査で踏破判定されたキャラクターは上記条件を満たしていなくてもカウントしている。
確認できたものは可能な限りカウントする方針だ。
全ワールド、全キャラクターで同じ基準でカウントしているとはいえあくまで傾向値なのでご注意されたし。

前回の調査は絶オメガ検証戦リリースからデータ収集期間を考えると1か月無いくらいのタイミングのデータなので一部ワールドを除けはワールドで数人、十数人とかそういう規模だったが今回はリリースから4か月ほど経ってのデータなのでかなり数は増えている。
ただそれでも最高難易度のコンテンツ。煉獄編零式踏破キャラクターに対する絶オメガ踏破者の割合をU/S比として算出した。多くのワールドで10%以下で、絶判定の捕捉漏れを考慮しても煉獄編4層を突破出来た人で絶まで突破した人は10人に1人とか2人という割合だ。
その中でAsuraのU/S比の24%は頭一つ抜けている。ChocoboやTitanの16%も大概だが。

NAでランキング上位のワールドのU/S比を見てみるとJPのワールドと同じくらいだ(上の3つは別格だが)。ノーマルクリアに対する零式クリア比のS/N比ではJPはNAよりかなり高くなっているのに比較すすとそこまでJPとの差がでない。
野良パーティ募集でもクリアできてしまうプレイ環境があることの影響がJPのS/N比の高さに出ていて、JPでも野良パーティでは厳しい絶だとU/S比でそこまで差が出なかった。と読める。

前回も出したアチーブメント情報からの攻略日数比較も見てみよう。
レイド比較



踏破日数での難易度比較的には、前回のデータで1000位までの中845位までのデータはあったので難易度比較としては前回と内容は同じだ。
逆に達成数や達成率のデータはリリースパッチ内データとして比較できる状況になっただろう。

このデータはLodestoneで収集したキャラクターのアチーブメント情報から、JPでの各コンテンツのリリースパッチ内でのクリアで抽出している。
JP以外のデータ、論理データセンター単位の集計はGoogleスプレッドシートの方にまとめているので適当にフィルタするなどしてほしい。

絶オメガの達成数を見てみよう。対象キャラクター数の62,045はLodestoneのアチーブメント情報を公開していて、パッチ6.3で何かしらアチーブメントが確認されたキャラクター数。活動していたプレイヤー数の目安だ。それに対して4,760は絶オメガ踏破アチーブメントが確認できたキャラクターの数。
そこから達成率を出して7.7%となっている。

先のレイド踏破状況の表は全キャラクター全公開のLodestoneのキャラクターデータで、このレイド比較の表は自分の意志で公開しないと見れないアチーブメント情報を元にしているので、達成率としてはどちらの数字が正しいとは言いい難い。
ただ、他のレイドコンテンツとの比較としてはアチーブメント情報ベースのこの比較は有効だ。

単純な達成率で見ると絶竜詩戦争の9.7%よりは絶オメガの7.7%達成率は低い。
だから絶オメガの方が難しいいのかと言えば、絶アルテマウエポンは達成率3.7%で絶オメガより低いのでその理屈では絶アルテマウエポンの方が難しい、ということになってしまう。

絶アレキサンダーが実装された2019年11月から絶竜詩戦争が実装された2022年4月まで2年半ほど期間があり、その間にFF14のプレイヤー人口が増え、高難易度コンテンツを攻略するプレイヤーコミュニティも成熟してきて挑戦者が増えた結果としての数字であるとも言える。

なので難易度比較としては前回の調査で述べたように各コンテンツで早期達成の10位から100位くらいまでのクリア日数で比較するのが妥当だろう。絶コンテンツの難易度比較については前回のLodestone国勢調査を参照してもらいたい。


今回の調査報告は以上だ。
毎度の宣伝で恐縮だがLodestoneのアチーブメントデータから自分のキャラクターの歩みを可視化できるジョナサスレポートも暁月の最新状況に対応させたのでぜひ使ってみてほしい。

fig1

※キャラクター年表はクリア済みメインクエストまでのネタバレが含まれるのでSNSで共有する時はご注意ください。