いよいよ今月末の6/28に次期拡張パックの黄金のレガシーのアーリーアクセスが始まる。
メンテナンス明けは18:00予定。コンソールゲームのFF16やFF7Rのように0時からプレイできるわけではないのでご注意を。

先日よりメディアツアーの情報も解禁になってメディアの人から見たインゲームのグラフィックスアップデートの感想やジョブの新アクション、2か所染色などの新システムの実際の使い勝手のレビューでXのタイムラインもにぎわっている。

グラフィックアップデートが適用されたがキャラメイク画面のライティングが古い調整だったので印象が悪くなってしまっていたキャラクリベンチマークもアップデートされた。ベンチマーク動画の方はあまり変わらないが、キャラメイク画面の方は明らかに印象が変わった。キャラクリベンチは黄金のレガシーリリース後もFF14をはじめて触る人にとっての入口になるものなので新グラフィックスの魅力を最大限伝えられるものになっていてほしい。
またアーリーアクセスを前にして北米DCと欧州DCでデータセンターの拡張が6/11のタイミングで行われた。北米DCはDynamisDCに4ワールド新設。欧州DCはDCトラベルのみ可の臨時ワールドとしてShadowDCに4ワールドが追加される。
明後日14日にはPLLが予定されていていよいよアーリーアクセスに向けて盛り上がってきた。

ついでにいうと6月22日でFF16が発売1周年を迎える。FF16のファンにはFF14のプレイヤーも多いだろうが、FF16はFF16で固有のファンもいるのでFF14のアーリーアクセス祭りのついでではなく、FF16はFF16として発売1周年を開発チームとFF16のファンで祝えるといいな、と思う。


ということでパッチ6.xの最終状況の把握としてLodestone国勢調査の更新を行ったので見てみよう。

画面イメージ

ワールド別統計とはLodestoneのキャラクター情報を収集・分析して、ワールド毎のプレイヤー動向を様々な角度で掘り下げるLodestone国勢調査の集大成。前回の更新の3月31日から3か月弱の中でキャラクターデータに変化のあったものをアクティブキャラクターとして集計している。

ゲーム内のフレンドのログイン率のような体感と比べるとシーズナルイベントには顔出してシーズナル報酬をゲットするくらいのプレイでもアクティブとカウントされるので「引退はしてない」程度の緩い基準になっている。
その代わりフリープレイのレベルキャップ未満のキャラクターは製品版のプレイヤーでも足切りされていたり(Lodestoneのデータ上は区別付かない)、Botのキャラクターに特徴的なデータの傾向が見られるものを除外したりと、出来るだけノイズになるものを除外している。

そういった集計基準に関する詳細は「Lodestone国勢調査のよくある疑問」という記事にまとめてあるので参照されたし。 
・アクティブキャラクターは122万、暁月キャラクターは116万

集計対象のベースとなるアクティブキャラクターの判定基準は以下の通り。
  • 最大レベルが70以上(70ジャストを含まず)  OR ジョブがフリートライアルで解放できないジョブ OR FC所属
  • 前回(3/31)の調査からHP,レベル、経験値が変動している
  • 前回の調査から、ミニオン、マウント所持数が変化している
  • 前回調査では居なかった新規キャラクター
  • マウントの所持が1体以上
  • データ取得時のジョブでジャンピングポーション使用(データ取得時のメイン武器のIL390と最大レベルが70、IL530と最大レベルが80)キャラを除外
DC別暁月キャラクター数動向



アクティブキャラクター数は前回(118万)から4万増加の約122万
新規キャラクター数は前回の8万から1万強増加の約10万
前回非アクティブだったのが今回アクティブになった復帰キャラクター数は前回の22万からほぼ横ばいの約21万
前回からアクティブで継続しているキャラクター数は87万から5万増加の約92万
暁月開始は116万(1万増)。暁月レベルキャップ到達は96万(5万増)。暁月クリアは87万(4万増)
黄金のレガシー予約特典のマメット・ジタンの所持キャラクター数は約57万

状況としては多少増加といったところだ。
ただJPは前回が39.9万だったのに対して今回は39.7万とほぼ同じか微減している。
今回の増加分はJP以外で積みあがったものだ。

思い当たるものがあるかと言えば、Xbox版のサービスが3月21日に始まったことか。
家庭用ゲームコンソールのXboxは日本でこそシェアが少ないが日本以外の地域でのシェアはPS5の半分ほどあり、近年はサブスクリプションのゲームパスで新作が遊べるなどラインナップが充実していて勢いがある。
前回の調査はXbox版サービス開始とタイミングが近かったので、Xboxからの新規プレイヤーが参入していれば今回その影響も見えるだろう。
・・・とは思ったが、新コンソールの追加ならもうちょっと大きく増加して欲しかったな、というのが率直な印象。
Lodestone国勢調査ではプレイヤーがプレイしているプラットフォームを判別する方法はないので、集計した数字に内どのくらいがXboxのプレイヤーなのかは分からないが、まったく影響してないと考えるのも不自然なのでXbox版サービス開始の影響かな、と推察しておこう。

毎回、拡張パックリリース前には新規プレイヤーや復帰プレイヤーでアクティブキャラクター数が増えるが、今回はそれが少ない。
一方、継続キャラクターは底上げされているので既存プレイヤーの新拡張パックへの期待の高さを感じる。

・ワールド別の人口動態
ワールド別の人口動態も見てみよう。
人口動態

表は増減の大きい順にソートしている。Googleのスプレッドシート版にシートを追加する形で公開しているので、気になる人はいろんな切り口で見て欲しい。

全体の傾向でもJPがほぼ横ばいでJP以外が若干伸びている傾向があったが、細かく見るとJPの優遇ワールドが休止者分を新規分で若干盛り返しているのが、混雑ワールドだとそれが無いので下回っているという感じだ。

NAの新DCのDynamis所属のワールドはなかなか伸びない。アクティブキャラクター比で1/2~1/3くらいの規模に留まっている。比較してEUの新設ワールドは既存DC内での新設ということもあり他のワールドの2/3ほどのアクティブキャラクター数になっている。

6/11にDynamisDCに新たに4つ新設ワールドが追加された。現時点ではワールド間人口の平均化優遇施策で既存ワールドの優遇、混雑指定に変更はない様子。
ただ同DCの既存ワールドがこの状況だと人が増える拡張リリースのタイミングでDynamisDC以外の全NAのワールドが混雑指定されるなどかなり強硬な誘導施策が行われる可能性もある。

一方、同日に追加される欧州DCのShadowDCだが、こちらは臨時ワールドという形でホームワールドに選べない、混雑時の避難先となるDCトラベル専用のワールドという形を取っている。
恐らくこのタイミングで真っ新な論理DCを追加してもコミュニティの立ち上げはDynamis同様苦戦すると考えて、当面はキャパシティを確保しつつ既存のEUワールドでの収容が厳しくなるまでは様子見というところだろう。

論理データセンターを跨いだパーティ募集(吉田Pはメディアツアーで仮称として「パーフェクトパーティファインダー」と呼んでいた)はまだ当面実現しそうにない。公式がパーティ募集を特定のDCに誘導するような施策も副作用を考えると難しい。それも含めていろいろ検討しているとのこと。

もしShadowDCを開設して既存のChaosDCやLightDCと同じように盛り上げる施策があるとしたら、究極的にはFF14がスペイン語対応してスペイン語圏のプレイヤーが自分達がマジョリティになるようなコミュニティを作りたいという想いを持って移住するようになればワンチャンあるかもしれない。
自分でも無茶を言っているとは思うが、既存の論理DCとほとんど変わらないプレイヤー人口だけが少ないワールドが追加されてもプレイヤーにとっては不便な環境にしかならないので、単に機能追加以上のインパクトがある状況を作らないと新しいコミュニティの立ち上げは難しいだろうとは思う。

・拡張前の新規キャラクター数の増加について
FF14の拡張パックリリースの傾向として、以前から新規拡張のリリース前のタイミングで新規プレイヤーが増える傾向があった。

下記は、アチーブメント統計から四半期ごとにその時期活動していた(アチーブメント記録がある)キャラクターを集計したものである。アチーブメント情報を公開しているキャラクターに限定したデータだが、Lodestone国勢調査は次期によってフリートライアルの足切り基準を変えたりしているので長期間にわたる変動を見るならアチーブメント情報の方がノイズが少ないだろう。


アチーブメント人口動態

  • 新規はその時期に最初のアチーブメントが記録されたキャラクター数
  • 最終はその時期より後のアチーブメントが確認できなかったキャラクター数
  • 継続はその時期にアチーブメントが確認できたキャラクターから新規、最終を除いたもの。ただし、その時期内で同じキャラクターが新規・最終にカウントされている場合は継続から2重に引かれてしまので+1をしている。
  •  2021Q2は2021年7月にアチーブメントがあれば継続,なければ最終の判定になる。
  • レガシーキャラクターは、新生後にログインしないとLodestoneにデータが作られないので旧FF14期間中での最終アチーブメントは確認できない。
今回は今までのグラフに各拡張ディスクの発売時期が分かり易いように色やロゴを付けてみた。

拡張発売の少し前からアクティブキャラクター数が増えてリリース後半年くらい盛り上がった後、次の拡張までは徐々に減っていき、次の拡張が発表されたあたりからまた少しづつ戻ってくるというサイクルを繰り返している。

その波の中でアクティブキャラクター数のベースが徐々に積みあがっていったのが10年に渡るFF14の歴史だ。
その中でも特異なのが漆黒のヴィランズの時期。アクティブキャラクター数の波が途中で盛り上がり、暁月のフィナーレのリリース前で爆増している。

この最初の波は世界的な新型コロナウィルスの流行による巣ごもり需要でユーザー数の増加。そして後者の波は海外の有名ストリーマーが業界最大手の老舗MMOのWoWからFF14に移行した影響である。
この時期の出来事を紹介したゲームメディアの記事に本サイトの調査も取り上げられた。

その後、暁月のフィナーレのリリース後の盛り上がりから一貫してアクティブキャラクター数は減少傾向にあるが現在は底打ち状態と言える。

漆黒の時期での急激な伸びはコロナ過や競合タイトル側の問題と外部要因が大きいが、その機会にユーザーに選ばれ、そしてある程度定着したのはFF14が積み上げて来たコンテンツやプレイヤーコミュニティの資産に依るものだろう。

現在の状況は暁月のリリース直前と比べるとアクティブキャラクター数が少ないが、急激に伸びた同時期と比較してプレイヤー数のベースは大きい。

Lodestone国勢調査で暁月リリース直前の2021年11月5日の調査と漆黒リリース直前の2019年6月13日の調査を比べてみよう。
フリートライアルの対象レベルの拡張もあって足切り基準など同じではないが参考にはなるだろう。

今回の黄金直前の調査とリンク先の暁月直前、漆黒直前の調査でのグローバルトータルの数字を抜き出すと以下の通り
拡張リリース直前比較
紅蓮以前の予約特典は拡張リリース後の受取だったのでリリース直前の調査比較は漆黒からになっている。漆黒直前の調査ではベイビーグレムリンの所持キャラクター数の調査はしてなかったが当時のデータから再集計して掲載した。

前述したとおり、アクティブキャラクター数は暁月直前の方が多いが継続キャラクター数では黄金直前の方が多い。漆黒直前と比較してもかなりプレイヤー数のベースが上がっていることが分かる。

それぞれのアーリーアクセス(EA)の権利が貰える予約特典のミニオン所持数を見てみよう。
今回の黄金直前は約57万は漆黒直前の48万よりは多いが、暁月直前は86万とやはり突出している。

黄金のレガシーの予約状況については、4月13日のPLLで過去一の立ち上がりと吉田Pが言っていた
暁月の時の予約開始は5月でアーリーアクセスの半年以上前なのに対して今回は予約開始が3月でアーリーアクセスの3か月前と日付が近いことや、暁月直前の新規がこれだけ多かったのでその中で予約特典を取得したキャラクターが多くカウントされている可能性も考えると、今回の予約開始の時点では黄金のレガシーの方が予約数は多かったとも考えられる。

ただ、最終的には今回の黄金のレガシーリリースでのアクセス数が前回の暁月のフィナーレのリリース時を超えられるかは怪しい。
今回拡張リリース前での新規が増えなかった要因はどこにあるのだろうか。

既存プレイヤーにとっては黄金のレガシーの情報発信は不足しているとは感じないが、新規顧客にリーチするためには「なんか凄そう。盛り上がっていそう」という空気作りが大切だ。
漆黒の時は今までとテイストが変わったトレイラーの映像と音楽が分かり易くカッコ良かった。劇場版「光のお父さん」の公開もあって非プレイヤー層にもリーチできたと思う。
暁月の時は拡張リリースでも無い時期に異常にプレイヤーが増えている、というニュースがFF14流行っている感を出していた。
それに対して今回はスクエニ本体の特損計上のニュースやPS5専売だったFF16やFF7リバースが当初の期待に届いていなかったという社長の発言など全体にネガティブな話題が多い。

前回の暁月リリース前の盛り上がりはちょっと異常値で外部要因も大きく、それを基準に評価するのは酷かもしれないがこういう空気感はだいたい外部要因で決まったりする。
こういう状況だとリリース後に本編の内容で評価を積み重ねていくしかない。

ただ、可能性としては潜在プレイヤー数は累計になるのでリリースしたら過去一の数字になることもある。
運営としても前回のような長時間ログイン上限で張り付くようなことは避けたいだろう。
この2年間ほどでインフラの増強やデータセンタートラベルの導入など対策を積み重ねてきたので今回は大丈夫だと思う。

拡張リリース後のログイン障害はオンラインゲームの風物詩みたいな流行っているかどうかのバロメーターと見做されることもある。ちゃんと準備して対処した結果が「流行ってなさそう」だったらちょっと哀しい。いちプレイヤーとしては大盛況でログインできないよりログインして遊べた方がいいので難しいところだ。

・新規で始めるなら7.0がリリースされた後がお勧めかも
暁月リリース後のPLLで吉田Pが語った「次の10年に向けて」で発表された、自分のペースで冒険を進められるコンテンツサポーター機能や、現行世代のゲームに慣れた目でも見劣りしないグラフィックスクオリティの底上げがこの7.0で完成する。

新規で始めるなら既存プレイヤーが暇して新規プレイヤーに付き合う余裕がある拡張リリース前のこの時期がおススメ、と言われるが、今回に限っては折角だからパワーアップしたグラフィックで新しい冒険を楽しんだ方がいいんじゃないかな。


・自作PRムービーキャンペーン再び
最近FCPRキャンペーンもリバイバルした
今回せっかくグラフィックスのクオリティが上がったのだから、以前やっていた自作PRムービー募集キャンペーン「エオルゼア親善大使」もまたやってもらいたいな。

リッチになった素材と新しいエリア、BGMで新しい作品を作ってみたい。公式のPRに採用されて未来のFF14プレイヤーの目に触れる機会があればやりがいもある。なによりまた野生の動画職人のFF14プレイヤーのアイデアと情熱に触れてみたい。



ジョナサスレポートの統計データの方も更新しておいたのでよろしく。
7.0のアチーブメント情報は次回のLodestone国勢調査のタイミングでの反映になるのでご了承ください。

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※キャラクター年表はクリア済みメインクエストまでのネタバレが含まれるのでSNSで共有する時はご注意ください。