パッチ7.2がリリースされてちょうど2か月。
「至天の座アルカディア・クルーザー級」の実装と装備IL更新、ワールド協力型のギャザクラコンテンツの「コスモエクスプローラー」の追加が行われた。
黄金のレガシーリリース後から厳しい意見が寄せられていたメインストーリーも、7.2になって改善が感じられるものになっていった。

個人的には念願のレンズが透けないタイプのゴーグルのフェイスアクセサリであるスモークゴーグルが実装された。潜水艦の新海域ドロップ品であるため、数週間にわたり取得報告がなく、潜水艦ガチ勢が発掘し、初物価格でマーケットボードに出品されたものを入手した。
頭部のおしゃれのバリエーションが増えて大満足。個人的には7.2で一番うれしいアップデート内容がこれだった。

2015年3月31日に旧Lodestoneが閉鎖されて10年目の節目でLodestoneを含むゲーム外のコミュニティサービス事情をまとめた。旧FF14時代からボイスチャットツールとして長い歴史を持つSkypeのサービス終了など、時代の節目を感じる出来事があった時期だった。
期間中に開催された「エッグハント」「ゴールドソーサー」の各年のストーリーと垂直にまとめるシーズナルイベント解説も初めてみた。

ゲームのメインではない部分も取り上げて楽しむのが、レガシープレイヤー流だ。
ただ、来週5月27日にリリースされるパッチ7.25で実装予定の新たなフィールド探索型コンテンツのクレセントアイルはこれはこれで楽しみである。

それでは、パッチ7.2がリリースされて現在までのプレイヤー動向をLodestone国勢調査で見てみよう。

画面イメージ
ワールド別統計とはLodestoneのキャラクター情報を収集・分析して、ワールド毎のプレイヤー動向を様々な角度で掘り下げるLodestone国勢調査の集大成だ。
前回の更新はパッチ7.2リリース直前の3月16日。そこから2か月弱での期間の中でキャラクターデータに変化のあったものをアクティブキャラクターとして集計している。

キャラクターデータの収集方法は「Lodestone国勢調査のよくある疑問」にまとめている。
7.0から入ったLodestoneのキャラクターデータの非表示機能の影響についても言及しているので気になる人は確認してほしい。
アクティブキャラクターは95万、黄金キャラクターは82万
集計対象のベースとなるアクティブキャラクターの判定基準は以下の通り。
  • 最大レベルが70以上(70ジャストを含まず)  OR ジョブがフリートライアルで解放できないジョブ OR FC所属
  • 前回(3/16)の調査からHP,レベル、経験値が変動している
  • 前回の調査から、ミニオン、マウント所持数が変化している
  • 前回調査では居なかった新規キャラクター
  • Lodestoneのプロフィール、ミニオン、マウントを全体公開しているキャラクター
  • マウントの所持が1体以上
  • データ取得時のジョブでジャンピングポーション使用(データ取得時のメイン武器のIL390と最大レベルが70、IL530と最大レベルが80、IL660と最大レベルが90)キャラを除外
DC別暁月キャラクター数動向

アクティブキャラクター数は前回(99万)から4万減少の約95万
新規キャラクター数は前回の5.9万から約9千減少の約5万
前回非アクティブだったのが今回アクティブになった復帰キャラクター数は前回の17万から2万減少の約15万
前回からアクティブで継続しているキャラクター数は76万から2万減少の約74万
黄金開始は82万。黄金レベルキャップ到達は67万。黄金クリアは61万
黄金のレガシー予約特典のマメット・ジタンの所持キャラクター数は前回の76万から3万減少の約73万。
黄金のレガシーコレクターエディションの特典のマメット・ガーネットの所持キャラクター数は前回から2万減少して43万

黄金のレガシーリリース後からの減少傾向はまだ続いていて"下げ止まった"という状況ではない。
メジャーパッチでも復帰や継続など既存プレイヤーが若干ではあるが減少している。
パッチ7.2のコンテンツは決して評判が悪いわけではないが、離れてしまっているプレイヤーが復帰してみようと思えるほどの訴求力はまだないということだろう。

長期的なトレンドを確認するためにアチーブメントのデータで推移を見てみよう。

アチーブメント公開キャラクター数の推移
アクティブキャラクター数の推移を見る際、Lodestone国勢調査はフリートライアルの拡張などでアクティブキャラクター判定の内容を変えたりしているので一貫した比較は難しい。

その代わりアチーブメント公開キャラクター限定で、四半期ごとの活動状況を四半期単位でその時期のアチーブメントの有無で調査したのが下記の「アチーブメント公開キャラクターの活動推移」だ。
アチーブメントキャsラクター数の推移
  • 新規はその時期に最初のアチーブメントが記録されたキャラクター数
  • 最終はその時期より後のアチーブメントが確認できなかったキャラクター数
  • 継続はその時期にアチーブメントが確認できたキャラクターから新規、最終を除いたもの。ただし、その時期内で同じキャラクターが新規・最終にカウントされている場合は継続から2重に引かれてしまので+1をしている。
  • レガシーキャラクターは、新生後にログインしないとLodestoneにデータが作られないので旧FF14期間中での最終アチーブメントは確認できない。
今回のデータの期間である2025Q2(4月~6月)はまだ1か月以上あるのでこれから伸びる可能性はあるが、減少傾向はまだ収まっていないと感じる。
前期2025年Q1は、パッチ7.2のリリースで前回の調査より少し伸びているが2024年Q4からの減少傾向を盛り返すような動きにはならなかった。

休止が多く、新規も伸びないとなれば当然減少していくわけで、どこまで行けば減少傾向が底打ちするのかまだだま見えてこない。

ワールド別の人口動態
ワールド別の人口動態も見てみよう。
人口動態


表は増減の大きい順にソートしている。Googleのスプレッドシート版にシートを追加する形で公開しているので、気になる人はいろんな切り口で見て欲しい。

全体が減少傾向なので増減でもマイナスのワールドが多い。
ただ、いつもはプラスの時でもマイナスの時でもNAやEUが大きく振れることが多いが今回はJPのワールドがマイナスの振れ幅が多い下位に多く集まっている。

全体を見てもJPの減少幅が若干多いが、ワールド別に見るとその傾向がよく見えてくる。

・至天の座アルカディア・クルーザー級零式の踏破状況
パッチ7.2で新しい高難易度レイドコンテンツの至天の座アルカディア・クルーザー級が実装された。

ノーマルの実装日はパッチ7.2の2025年3月25日で、零式はその1週間後の4月1日。
集計期間的には実装から1月半程度経過した時点の集計でキャラクターデータの報酬マウント取得状況から集計した。

レイド踏破者数


今回のクルーザー級ノーマルの踏破者数のデータは、マウントやミニオンではなくフェイスアクセサリーだったが、フェイスアクセサリーのデータは収集していなかったので計測することができなかった。
データ収集が終わってから気が付いたのだが、時間的にデータ収集をやり直すことができなかったので、これは次回以降の対応ということでご容赦いただきたい。

零式踏破数は零式4層マウントのエアスピナーC9の所持キャラクター数で見ている。
零式リリース時期の4月1日からデータ収集期間の5/4から5/17まで6週~7週しかないので、仮に初週クリアした8人固定で毎週回していてもその内6,7人までしかカウントできない。
ましてや2週目、3週目でクリアできたところはもっと少なくなる。
たぶん、実際は集計数字の倍くらいはいるだろう。
ということで、実際の踏破者数よりはかなり少なくカウントされているタイミングでのデータであることに注意してほしい。

内容としては、圧倒的にManaデータセンターのワールドが上位にあり、NAのAetherデータセンターのGilgameshがそこに食い込んできいている。
AetherはGilgamesh以外にもSargatanas,Jenovaが上位に入り、NAの他データセンターではPrimalのLeviathanが中位くらいに位置しているので、NAでも高難易度レイドならAetherという流れが見て取れる。

全体のプレイヤー規模が減少するとますます募集環境の良いところへ集中する動機が高まる。
とはいえ全体を増やしましょうとは簡単には言えないので、DC間パーティ募集の実装など抜本的な解決をどこかで実現することを願っている。

・高難易度レイドの難易度比較
今回のクルーザー級は高難易度レイドの中でも比較的難しかったとは言われているが、実際どういう状況だろうか。アチーブメント公開キャラクターで高難易度レイドの踏破状況を比較してみよう。
こちらは、高難易度コンテンツのリリースパッチ中にアクティブ(アチーブメント取得がある)なキャラクターに対するリリースパッチ内でのクリアアチーブ持ちのキャラクター数の比率を出しているので時間を超えた高難易度コンテンツ同士の難易度比較の参考にもなる。
早速みてみよう。
高難易度レイド踏破日数

表はJPのワールドでアチーブメント情報を公開しているキャラクターのデータだ。
高難易度コンテンツの難易度比較としては、コンテンツのリリースパッチ内の達成率の他に、アチーブメント集計でのコンテンツ早期クリアの1位、10位、20位・・・100位、500位、1000位の人が何日でクリアしているかで表現している。
JP以外のリージョンやデータセンター単位での集計を見たい方はGoogleスプレッドシートの方を参照してほしい。

JPのクルーザー級零式の達成率は30.5%とかなり高い。ただ全体では14%と半減する。
アチーブメント公開キャラクターが分母なので前のLodestoneのキャラデータ公開基準の調査より高めに出る傾向はあるが、マウント集計でのアクティブ比で2%~7%だったのと比べると、カウント漏れを考慮して2,3倍してみてもまだアチーブメント集計が高い。

他の零式コンテンツと比較してみよう。
同じ至天の座アルカディアのライトヘビー級(以下、LH級)とクルーザー級(以下、Cr級)と比べると、達成率ではLH級の41.2%とCr級の30.5%では10%近く達成率が下がっている。
ただ、まだリリースパッチ内の期間なので達成数はこれから増えていくだろう。リリースパッチ内でクリアする人ということでは最終的には同じくらいに落ち着くかもしれない。

ただ、踏破日数の進捗で見てみるとTopから100番目の踏破日数でLH級の1.2日に対してCr級は3.3日と3倍弱の開きがある。1000位でLH級の3.2日とCr級の6.2日で倍近く開いている。
6.2日はギリギリ初週クリアに間に合ったという感じで、達成数16448中の1000位くらいの上位でそんな感じなのだ。

ただ、過去の万魔殿パンデモニウムの第2弾の煉獄編、希望の園エデンの第2弾共鳴編と比べると達成率でも踏破日数でも過去の零式の方が長い。煉獄編の100以降の踏破日数はCr級と同じくらいとも言える。

結論として、データを見る限りCr級は過去の零式と比べてすごく難しいというわけではないが、LH級との差がすごく大きいので難しくなったという印象を強く持ちやすいのだと考える。

・コスモエクスプローラーの分析
パッチ7.21でリリースされたワールド協力型のギャザクラコンテンツ「コスモエクスプローラー」
終末を乗り越えて役目を果たしたレポリット達の新たな目標として始めた宇宙探索。
各ワールドごとにプレイヤーが協力して宇宙探索の拠点作りを行う。

各ワールドの探索進行状況はLodestoneの特設サイトで確認できる。
普段この手の協力型コンテンツではJPのワールドが優勢になることが多かったが、今回はスタートからNAのワールドの進行が速く驚いたものだ。

他のワールドの状況は特設サイトの進行状況でしか確認できないが、今回アチーブメント集計でコスモエクスプローラー関連のアチーブメントをまとめたので、各ワールドの状況を窺ってみよう。

ワールド別コスモエクスプローラー集計

表はLodestoneのアチーブメント情報から各ワールドのコスモエクスプローラーの状況をまとめたものである。データが細かいので詳しく見たい人はGoogleスプレッドシート版を参照してほしい。

アチーブメントを公開しているキャラクターのデータでしか集計できないので観測できるのは一部だ。
Lodestoneのキャラクターページベースのアクティブキャラクター数に対して、コスモエクスプローラーのリリースした4月22日以降のアチーブメント達成が確認できた割合をアチーブメント取得率として出しているが、JPでおおよそ14%くらい。NAで20%くらいというところが多い。ただし、新設のDynamisのワールドは日本並みくらいの数字である。EUやオセアニアはNAとJPの中間くらい。

コスモエクスプローラーのプレイ状況をみるのに参照したアチーブメントは
コスモツールの取得状況だ。各クラフター、ギャザラーのコスモツールを取得するとアチーブメントが達成されるが、いずれかのコスモツールの取得アチーブメントがあるキャラクターを「探索者」としている。
非探索者は逆にコスモツールを持ってないキャラクターだ。
アチーブメント取得キャラクターに対する探索者の割合を探索者率としているが、これが各ワールドでメインで探索進行を担っているプレイヤーの割合と見做していいだろう。

各ワールドで幅はあれどNAとJPでそこまで変わらずだいたい20%から25%くらいだ。
参加率が同じくらいとすると、1ワールドあたりのアクティブキャラクターのボリュームが多いNAやEUの方が参加者は多い。
このあたりからもNAのワールドが探索進捗が早かったが分かる。

ただ、コスモエクスプローラーをプレイする人みんながコスモツールを作っているわけではない。
緊急ミッションや共同作業はコスモツールを作っていなくても参加できる。
ただ、その状況は直接アチーブメントには出にくいので、ミッション報酬で貰えるコスモフォーチュンのくじに挑戦した回数のアチーブメントをカウントした。
FortuneR1はコスモフォーチュン10回挑戦のアチーブメント達成キャラクター数で、FT参加率はそのアチーブメント取得数に対する割合だ。

FT参加率になるとだいたい40%から50%と探索者率の20%から25%からはぐっと高くなる。

AnyRank1は、各クラフター、ギャザラーの技巧点5満点のアチーブメントをどれか一つでも達成したキャラクター数である。
技巧点5万点を達成した数が最も多いNAのCacutarは探索進捗状況でも他とはアマタ一つ抜けて進捗している。
AnyRank2は技巧点15万点、AnyRank3は技巧点50万点で、これもCacutarの数字がアタマ一つ抜けて多いのでCacutarの強さを実感できる。
だがなぜCacutarが強いのかはさっぱりわからない。

制作AllR3,採集AllR3,AllR3はそれぞれ技巧点50満点のアチーブメントを全クラフター、ギャザラー、その両方で達成したキャラクター数である。これは各ワールド1名いるかいないかくらい。Tonberryは3人居るけど。

クラフター、ギャザラーの各クラスで傾向があるかどうか調べてみた。
クラス別コスモエクスプローラー集計

表は、ギャザラー、クラフターごとに各ワールドの技巧点5万点獲得アチーブメント達成者数を各リージョンで平均したもの。
AnyRank1は、ギャザクラのどれかのクラスで技巧点5万点を獲得したキャラクター。

まず合計見て思うのは、NAとEUは全体的に達成者が多い。
ここからもNAやEUの探索進捗度がJPよりも高かったことが裏付けられる。
クラス毎の傾向では漁師R1が飛びぬけて多い。
緊急ミッションは漁師でやるのが一番技巧点を稼げるらしく、そうした事情が反映されたデータになっている。

以上がコスモエクスプローラーのアチーブメント集計だ。
月面基地はまだまだ建設中で探索進捗いくつで完了かは分からない。
プレイヤー人口が少ないワールドにも進捗が遅れ過ぎないような救済措置がある可能性も言われていたけど、技巧点を稼いでいるプレイヤー数の格差でみても底上げの存在を感じざるをえない。
それが必ずしも悪いわけではないが「みんなでがんばる」が無意味に感じない程度に演出や調整をしていただけるとありがたい。
パッチ7.25からクレセントアイルが始まるのでプレイヤー人口がそちらに流れてさらにコスモエクスプローラーをプレイする人が少なくなる中で「いつもまにか完成していた」みたいにならないように、ワールド内の住人と一緒に完成を喜べるような形に落ち着いてくれたらいいな。
今後、メジャーパッチごとに他の星の開拓が進んでいくようなので今回のフィードバックを活かして次回以降改善が進むことを期待している。


今回の更新は以上だ。
7.25でリリースされる特殊フィールドコンテンツのクレセントアイルは楽しみではある。
特殊フィールドコンテンツの第1弾の禁断の地エウレカはいろいろ言われたが一通り終わってみれば支持する人も多いコンテンツだった。
その第2弾で期待された南方ボズヤ戦線は、エウレカで不便なところを改善しているのは感じつつも、やりがいや達成感も同時に薄れたり、報酬の魅力が継続しなかったりと利便性と引き下にコンテンツの魅力もスポイルされてしまった感がある。

コスモエクスプローラーも、前回のイシュガルド復興から工夫した点は感じるがボズヤのような第2弾のジレンマに陥っているようにも感じる。

クレセントアイルは第2弾のボズヤを乗り越えた特殊フィールドコンテンツの第3弾である。
先例が2つあることで、今度こそエウレカを超える良コンテンツになってくれるか、はたまた改修の度に迷走感が強かったディアデム諸島(空島)のようになってしまうのか。

とりあえず出て来たものをしっかり楽しみたい。

そしてジョナサスレポートの統計データの方も更新しておいたのでよろしく。

FF14 Lodestone ジョナサスレポート

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※キャラクター年表はクリア済みメインクエストまでのネタバレが含まれるのでSNSで共有する時はご注意ください。